内容説明
政府からの弾圧を乗り越え、外務大臣として日本を牽引した風雲児の後半生に迫る!
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年、和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年に『深重の海』で第79回直木賞、95年に『夢のまた夢』で第29回吉川英治文学賞を受賞。97年に紫綬褒章、2003年に旭日小綬章を受章。2005年には菊池寛賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
29
下巻は、西南戦争に関連して政府転覆を謀った罪での牢獄から、盟友・伊藤博文の勧めによる外遊・政界復帰を描く。手に汗握る小説的面白さには若干の物足りなさは残るものの、不平等条約の改正に辣腕を振るう姿を中心に、自由民権運動、大日本帝国憲法と帝国議会、朝鮮半島(朝鮮国王とロシアの密約は初知り)と日清戦争、下関談判、三国干渉と読みどころ満載で満足。個人的には危機的状態が慢性化していた財政問題がどのように変化していったかが、新たな関心分野となった。 2020/08/23
ふっちゃん、男性60歳代(乱読書歴50年)→70歳になった。
2
幕末の時代に提携した不平等条約を正す為に活躍した陸奥宗光の半生を記した本である。紀州和歌山に生まれた宗光は、紀州藩の事務方のトップにいた父親からの十分な教育と豊かな才能で、幕末の頃から目立つ存在であった。ただ薩長土肥中心の中には入れなかった。明治維新後も厚い薩藩の壁で政権の中心に成れなくて、遂には反政府軍に組みして投獄された。しかし釈放後も彼の持つ力を惜しみ政界に復帰した。物語の後半は、日清戦争を中心にして日本にとって不平等な条約の改正に全精力を傾けていく。 【4.0】2023/08/14
たくぞう
2
叛骨エピソードをもっとちょうだい。現代文でしるす。2020/07/13
Ryo Sogawa
1
藩閥のバックを持たずに明治の礎を築いた陸奥宗光の生涯。2020/12/06
都人
1
陸奥宗光の生涯を描く。小説でもなく、伝記でもなく、歴史書の様だ。以前外交評論家の岡崎氏が書いた陸奥宗光の備忘録の解説本を読んでいたこともあり、良く理解できた。 些細なことだがp191に「日本政府の顧問であったビゴーは」とありその五行後に「ビゴットは主張する」またその三行後に「ビゴットは説明した」とある。私の推測だがBIGOTという名前のフランス系の同一人でないかと思える。2017/11/14