内容説明
混沌の今を生き抜く“座標軸”がここにある!台頭する中国、不透明な日米関係、エネルギー戦略の行方、そして日本経済の未来…。藤原帰一氏、船橋洋一氏、姜尚中氏など各界の論客との対談も収録。
目次
第1部 9.11後のアメリカと日本
第2部 中国の台頭と日本の現実
第3部 問われる日本の経済政策
第4部 日本外交の進むべき道
第5部 3.11と日本のエネルギー戦略
エピローグ 対談vs姜尚中 岐路に立つ日本の民主主義
著者等紹介
寺島実郎[テラシマジツロウ]
1947年北海道生まれ。早稲田大学大学院政治科学研究科修士課程修了後、三井物産入社。調査部・業務部を経て、米ブルッキングス研究所に出向。その後、米国三井物産ワシントン事務所長、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授、三井物産常務執行役員等を歴任。現在、一般財団法人日本総合研究所理事長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メタボン
9
☆☆☆★ 10年以上も前からの論説でも色あせないのは寺島氏がしっかりとした知見とぶれない視座を持っているからなのであろう。特に中東に関する知識と、日米の情勢に対する冷静な見解は、いつもすごいと思わせる。原発に関する考え方も極めてバランスが良く現実的。原発を他国に売り込んでいるおおもとの国で原発を扱わなくなるのは確かに利己的でおかしいし、近隣国での原発事故を未然に防ぐためにも、日本の技術の空洞化を避けねばならない。その意味で最低限の原発稼働も止む無しというところだろう。納得。2014/11/26
ceskepivo
7
戦後の日本外交の最重要テーマは、対米外交である。「アジアとくに近隣の東アジアにおいて本当に信頼で出来る意思疎通の基盤を構築してこなかったために、たえずアメリカに頼らなければならず、それが悪循環になって、アメリカに依存するという選択肢しかないという方向へとこの国を追いこんでいる。」しかし、こういう関係の出発点を作ったのは何か。そこまで掘り起こした議論を期待したい。2015/07/26
キャッツアイ
2
過去の時々の問題意識に基づいて書かれた文章を集めたものなので、現在の感覚に合わないところもありますが、全体を俯瞰したときに日本の大きな流れが見えてきます。2013/11/27
BATTARIA
1
鳩山総理が普天間移設問題で大迷走したとき、著者は黒幕の一人としてボロクソに批判されたのは、記憶に新しい。 著者の講演を聴いたときは、現実を見据えた上でのバランス感覚が感じられただけに、実に不思議だったが、これを読んで謎が解けた。 日米関係について、「しょうがないじゃないか症候群から脱却せよ」と主張しているが、これまでの為政者たちからは、「それができれば誰も苦労しねえよ!」と返されるのがオチだ。2016/02/04
とろりんとう
1
寺島さんの一貫した考えが、分かりやすく説明されていた。日米関係やエネルギー問題など表面的な理解に留まっていたことが分かり、勉強になった。2014/05/26