出版社内容情報
〈「春は来る、必ず」――どんな世界でも、どんな環境でも、生を全うする野花たち。〉
〈可憐なようでいて、気高く、そして逞しく。四季折々、日本の野山に現れる36の花々を綴るエッセイ集。〉
日本の野山に咲く花々について綴る文章に、花の個性をあらわにするような美しい絵を添えたエッセイ集。植物に造詣の深い著者が、四季折々に現れる野花の生態を紹介。どんな状況にあっても逞しく根を張る植物たちは、「生きる場所を自ら決める」ことの尊さを、人間である私達にも訴えかけます。「ともすれば大人は、子どもにヒマワリのように生きることを目指してもらいたがる。そのほうが仲間も多いし世界はそういう人に有利にできているし、生きていくに選択肢も広がるからだ。別に画一的な世の中をよしとしているわけではなくとも、親心で少しでも楽なほうをと先導してしまう。そういう自分に葛藤を抱くときは、渓流の奥へ足を運び、そこで満足げに咲いているイワタバコを見るのがいいと思う。イワタバコはほんとうの幸せとは何かを教えてくれる。」(本文より)
【目次】
内容説明
春は来る、必ず。どんなに凍てついた世界でも。可憐なようでいて、気高く、そして逞しく―生きる場所を自ら決める野の花たち。四季折々、日本の野山にあらわれる三十六の花々を綴る。
目次
春の花
夏の花
秋の花
冬の花
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikutan
60
開けば、波多野さんの優しい植物画が、平綴じで一面に広がる。そして頁を捲れば、梨木さんの植物愛が伝わってくるその植物に纏わるエッセイ。目に優しい色つかいと手触りのいい上質な紙、ほんのり香る和紙の匂いに癒されます。普段何気に見過ごしている植物も、こんな風に解説して頂くとグッと身近に感じられ、近隣の家の庭にも興味が湧き、散歩するのが愉しくなりそう。一番印象に残ったのは、南蛮ギセル、別名『思い草』。京都市植物園にあるようなので、秋には是非見に行きたい。2026/04/01
sin
56
知見を持つと云うことは大切だ。時折り妻の要望に応えて庭の草刈りをするが、毎回の様に刈ってはいけない植物まで刈り取ってしまっている。どれが植えられたもので、どれを雑草と認識するのかがわからない。いや、本来雑草と云う植物はないのだろうが草木の種類を知らぬ故の粗相である。作者が愛でる花花との出会いそれぞれに、普段見かける植物を思い起こし、自分の中の草花への想いが刺激を受けた。さて、頁が真っ直ぐに開き易いと思ったら、カバーを外して見れば和綴じのようで背表紙がない。添えられた花花のイラストが見やすく工夫されている。2026/04/22
nyanco
28
大好きな梨木さんの新刊 淡交社でフルカラーのイラストと聞いて購入決定。 流石、茶道美術図書出版の淡交社さん、平綴じで綺麗に開けて目次にも花のイラストが入っていたり、本当に美しい一冊でした。 茶花に使われる野山の花々、見開きにフルカラーのイラスト、裏に梨木さんが書いたその花にまつわるエッセイ。 野の花を愛する梨木さんらしい花に関する文章。花を人物のように例え、扱う文章も素敵。 自身の作品に出てきた植物や、ご自身の庭に咲く花、野山で出会った花々などなど、どれも本当に素敵。 →続2026/03/17
びぃごろ
14
2022~24年月刊『なごみ』に連載されていた「野山花花雑録」が加筆修正された一冊。春12夏9秋8冬7合計36枚の波多野光さんによるイラストが見開き一面で眺められる。次にその花に関する梨木さんのコメントが綴られる。『家守奇譚』の裏話もちらほら。本と広げると平らになる製本が施されており、中心部が見にくいストレスがなく楽しめる。 レイフラット製本というらしい。全く知らなかったのは春のウグイスカグラなんと可憐な。夏と秋の花は見たことがないものが多い…。写真でなくイラストなのがポイント、手元に置きたい本だ。2026/04/15
Eiko
13
身近な花々が多く書かれているが、アケボノソウだけは出会ったことがない。山里に棲んでいるので、自生の仔たちに会うことが多い。今朝は、地面を這っている五葉のものな何だろうとグーグルレンズで調べたら、アケビだった。花を先に見れば分かったろうに。いや、葉だけでアケビと分かっていたのに、地面を這っていただけではてなマークが脳内にグルグルしたのだ。話を戻すと、この本に書かれている花花はワタシも大好きということ。作者の文章を読んでいて心地よかった。とても良い本だと思う。面白かったし、机上に置こう。楽しい日々になる予感。2026/04/08




