出版社内容情報
呉学人、宋江を首領にすべく熱弁をふるう。
「よく考えていただきたい。この梁山泊には宋江殿の名を慕って入山した者も大勢ござる。その人たちの気持ちをどうなさるおつもりだ」
梁山泊から北京へ戻った盧俊義は、李固の訴えによって捕らえられた。
柴進は死刑係の蔡福に大金を渡し、裁判が有利になるよう働きかけよと命ずる。
蔡福は梁中書に千両贈って盧俊義を無罪にするよう頼んだが、梁中書は李成と索超の主張に押されて梁山泊軍と戦うことを決めた。
梁山泊軍はただちに出陣、北京軍を壊滅させた。
北京軍は敗走を重ねて城内へ逃げ込んだが、轟天雷の大砲が城門を吹き飛ばす。魯智深は盧俊義を救出すべく城内に乗り込んだ。
目次:
第33章 待っていた災
第34章 北京攻略
第35章 曽家の最期
第36章 動乱の大宋国
第37章 無敵梁山泊軍
水滸外伝 行者武松の巻
付録
水滸伝関連地図
水滸伝ビジュアル 武松が虎を殺した景陽岡と巨大テーマパーク「水滸城」を訪ねて 文・後閑英雄 写真・浦充伸
宋代市民の娯楽センター――瓦舎 曹文柱(北京師範大学歴史学部教授)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤枝梅安
23
梁山泊が皇帝の命を受けて宋国を平定する。北方さんは、横山さんのこの「水滸伝」とは全く違う物語を作り上げたのだ。 北方さんの「水滸伝」を再読してみよう。2010/10/16
ヤギ郎
13
横山光輝による『水滸伝』、シリーズ最終巻。英雄たちが戦い、そしてむなしく死んでいく。アウトローとして生きていた梁山泊の英雄たちは、武力と知力を蓄え、無敵軍団となるにつれて、朝廷に一目置かれるようになる。国のために働きたいという思いを持っているために、梁山泊のみんなは朝廷に依頼されて外敵を討ったり、敵対集団と戦ったりする。英雄が108人となったことで、伏魔殿に閉じ込められていた悪霊の数が108個であることを思いだす。輪廻は繰り返すのだろう。2021/08/06
gtn
12
願わくば、宋の癌、高俅、童貫、楊戩、蔡京の四人に天罰が下る姿を見たかった。それは自明のため、描かなかったということか。2023/09/13
白義
3
曽五兄弟との戦いで今までで一番多くの面々の戦闘が描写されているのが胸に迫る。この後大臣たちにたらい回しにされ決して明るいとは言えない結末を迎えるが、本書のクライマックスは108星が揃うに至ったこの戦いだと思う。水滸外伝の武松は水滸伝でも特にメイン格なイメージがあったけど、陰残だからか短編のみなのね。それにしても横山光輝先生の絵は本当に読みやすくて素晴らしい。アングルの取り方とかこういう大舞台を描くために生まれたような漫画家だ2012/11/03
やすお
2
意外とお人好しな梁山泊。虎の兄弟があっさりヒトコマで死んでるのがかわいそうだった。コマ分けてやれよ。2011/02/19