感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
67
ブッダ3巻「四門出遊」紀元前6世紀ネパールのシャカ族王子シッダルタは、タッタに連れられ、城の外の世界を知る。貧しく死と隣り合わせの世界。そこで盗賊の娘ミゲーラを知る。城に戻り、国王からヤショダラ姫と結婚させられる。ミゲーラに恋したシッダルタは男装した彼女と城内で会うが、彼女は国王に捕えられ両目を焼かれ盲目となる。大国コーサラ国の申し出を拒否したシャカ国に隣国からの圧力が強まる。迷うシッダルタにバラモンが東西南北の門を示す。シッダルタは妊娠した妻を拒否し、一人苦行を始める。五人の行者が更なる修行へと誘う。2020/04/11
財布にジャック
54
「人間はなぜ生きているのか?苦しむためなのだ!」「世界が滅びるかどうか気にしているうちにぼくは死んでしまうだからこそ生きているうちに・・・やりとげなくてはならないんだ」などなど、セリフが胸に突き刺さります。修行を始めたブッダを、応援したい気持ちでいっぱいです!タッタやミゲーラも魅力的な登場人物で、ふたりにも幸せになって貰いたいです。2011/10/27
紅香
32
タッタに世の中の本当の有様を見せ付けられたブッダ。子供に捨てられた老人。病気で苦しんでいる人。そして死。苦しいばかりの世界に絶望する。。ある一部の人間の権威を守るために作った身分制度。身分制度のために苦しむ人達。自分のルールに縛られ、自滅していく人間はとても愚かで弱くて儚い。『同じ死でもバラモンは気高く死に花園につつまれた神々の国にいける。いやしい奴隷はノタレ死にして死後は地底のオオカミや山犬に骨までしゃぶられるのだ』死の世界をも我が物としがみつくなんて何と哀れで滑稽なことだろう。いよいよ出家。次巻へ。2019/05/07
活字スキー
25
【くそっ……なぜこどもなんかできた……障碍(ラーフラ)だ!! その子には障碍(ラーフラ)とでも名づけるがいいっ】蝶よ花よと過保護にされるほどに厭世感を募らせていたシッダルタは、謎の男タッタに城から連れ出され俗世のリアルを思い知らされる。その中で盗賊の娘ミゲーラと想い合うようになるが、ここでも厳然と立ちはだかるのは非情な身分制度と、欲望の化身バンダカ。仕方なくヤショダラ姫を娶るも、やがてシッダルタは四つの門で自らが進むべき道を知る。 2022/03/25
くろうさぎ
17
人間はなぜ生きているのか?それは苦しむためだということを目の当たりにして苦悩するシッダルタ…。身分の違いに関係なく人には平等に死が訪れる。シッダルタの苦悩を通して「生きる」ということについて考えさせられます。2018/07/13