出版社内容情報
おいらはスリ。ある時、路地裏の窓辺で女の子に出会った。おいらのことを、絵本の「しあわせの王子さま」にそっくりだって……。
おいらはスリ。ある時、路地裏の窓辺で女の子に出会った。足が悪いその子は、おいらのことを、絵本に出てくる「しあわせの王子さま」にそっくりだって。そのわけは…。
30年前にミュージカルをもとに作られた名作絵本です。
結末部分が破れた「幸福の王子」の絵本を大切にしている病気の女の子と貧しいスリの心の交流の物語がまさにオスカー・ワイルドの「幸福の王子」のテーマと重なり、やさしくせつなく、感動的です。
とかく損得が重視される世の中で、他者がいることのかけがえのなさ、生きることの美しさに改めて気づかせてくれるストーリーだと思います。
変化球の絵本が増えている今の時代に、王道ともいえるストーリーがむしろ新鮮に感じられます。
岩崎書店から絵本や画集を何冊も出させていただいていた安井淡先生のすばらしい絵も、この機会に改めてご覧いただきたく、岩崎書店80周年の記念に復刊しました。
今年は、オスカー・ワイルド生誕60年の年でもあります。
【著者紹介】
【山崎陽子・作】 東京生まれ。童話、ミュージカルの脚本、作詞家として活躍中。坂本博士氏とのコンビによるミュージカル作品は、芸術祭優秀賞を受賞。主な作品に「ことりになったライオン」「どうぶつたちのおしゃべり」(小学館)、「らくだい天使ペンキイ」(大日本図書)、「ひとりぼっちのおおかみ」(太平出版)があり、いずれも坂本博士氏とのコンビによるミュージカルとして上演されている。他に「ノーム」「秘密のノーム」(サンリオ、遠藤周作他共訳)。高英男氏のシャンソンの作詞に「ポケットの中」「ある日突然」「幸福な王子」などがある。
内容説明
「そうだわ、やっぱりそうよ。あなた、しあわせの王子さまだわ」「お…おれがなんだって?」「そっくりなんですもの。しあわせの王子さまに」「しあわせの?王子さま?」「そう、わたしのたいせつな本の絵そっくりなの」オスカー・ワイルドの『幸福の王子』が物語の第二旋律を奏でる、ミュージカルから生まれた絵本。
著者等紹介
山崎陽子[ヤマザキヨウコ]
童話作家・ミュージカル脚本家。立教女学院卒業後、宝塚歌劇団を経て、童話、絵本、エッセイ、講演など多彩に活躍。1975年から一人ミュージカル、1990年から独自の舞台“朗読ミュージカル”(現在まで六十作余)を発表、「山崎陽子の世界4」は文化庁芸術祭大賞受賞
安井淡[ヤスイタン]
1921年ソウルに生まれる。上智大学卒業。絵本や紙芝居の創作とともに児童図書の編集、絵本講師、幼児教育の講演活動をしてきた。1986年3月召天(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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