出版社内容情報
くまの子は船に、うさぎの子はバスに乗ったことがありますが、きつねの子はどちらも知りません。だけど……。
5歳から
★第11回路傍の石・幼少年文学賞
内容説明
くまのこは、ふねをみました。うさぎのこは、バスにのりました。きつねのこは、どちらもしりません。きつねのこだけがしってるものは?幼い子の、初めての出会いの喜びと感動を、愛情ゆたかに描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミーコ
36
旅ねこオイラの話が、ととも良かったので 森山さんの本を図書館で探してたら 可愛いキツネの絵に一目惚れして借りて帰りました。小学生の低学年向けの本だと思いますが 大人にも通じる一冊だと思います。友達が知ってる船もバスも知らないキツネのコ なんだか、とても切なくなります。1人で掛けて行ってしまいますが、虹を見つけたキツネのコ 友達にも見せてあげたくなる優しい気持ち 私も持たなければ…と言う気持ちになりました。2018/11/17
かおりんご
28
読み聞かせ(168)児童書。きつねのこシリーズ第3弾。私的には読んでいて切なかったのですが、子供たちはいまひとつ理解できていない様子。バスも船も見たことがないきつねのこの気持ちを理解するのは、さらっと読むだけでは難しいなぁ。2016/10/11
anne@灯れ松明の火
24
シリーズ③。友達は知っているのに、ぼくだけが知らないことがある。それに気づいた時、ぼくは? そして、ぼくだけが知っていることに出会った時も、ぼくは? きつねのこの心の動きが丁寧に描かれ、一緒にさみしくなったり、うれしくなったり。2019/08/14
みつばちい
20
漢数字が書けなくて間違いをみんなに笑われたこんすけ。みんなは知ってるのに僕だけ知らないことがたくさんあって、悲しい。でも最後にぼくだけしってることを見つけた。後書きの「何をどれだけ知ってるかより、それにどう出会ってどう感じたかが大事なのでは」という考えがいいなぁと思う。2022/10/26
遠い日
9
子どもが感じる孤独が、怖いくらい鮮明に描かれている。友だちが知っていることを自分だけが知らないことの恥ずかしさ。これまでいた自分の世界から、一気に引きずりだされるような感覚はある種の暴力のような印象を受ける。みんなといっしょに遊んでも、もう元の自分には戻れないような気持ちに捕われたこんすけ。それなのに、この子は、美しい虹を独り占めしないのだ。友だちにもその美しさをお裾分けするのだ。少しだけ、ひとりで虹を見つけたことを誇らしく思いながらも。2015/07/02