出版社内容情報
時間を巻き戻せる不思議な力を持った古い腕時計を手にした人たちは人生をやり直し、幸せを掴めるのか？ 感涙の恋愛ミステリー！
一日だけ時間を戻せることができる『古い腕時計』を、偶然にも手に入れた人たちの７つの奇跡の物語。「片想いの結末」「四番打者は逆転ホームランを打ったか？」「最後の舞台」「起死回生の大穴」「おばあちゃんとの約束」「明日に架ける橋」「運命の恋」。まちがった時間を正すことは出来るのか……。
【著者紹介】
1961年、東京都に生まれる。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。1997年、『六枚のとんかつ』にて第三回メフィスト賞を受賞、デビュー。児童向けの「青い鳥文庫」や「YA!ENTERTAINMENT」でも活躍。
内容説明
思いを寄せる女性がトラックに撥ねられた。だが、不思議な力で前日の世界にもどった男は、事故現場へと走る（『片想いの結末』）。チャンスに弱い四番打者は、病気の子供との約束を守るため、もう一度打席に立つ（『四番打者は逆転ホームランを打ったか？』）。売れない漫才師は、余命三ヶ月の相方を連れて、敗者復活戦の舞台へと向かう（『最後の舞台』）。号泣必至の時間ＳＦファンタジー！
著者等紹介
蘇部健一［ソブケンイチ］
１９９７年第３回メフィスト賞を受賞してデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
46
昨日に戻れたら・・と思った事は過去何度もあっただけに、読んでいて「この時計、私もあの時あったらな」と考えてしまいましたが、いざ戻れても、「ああしとけばこうなった」とはいかない展開だったのが意外で面白かったです。面白かったけど、反面物足りない感も残りました。上手くいかなかった時にお酒に逃げる主人公が多かったのは些かイラっときましたが、ひき逃げ犯も、教会から献金を盗んだ穂積も、ずるいまま逃げ切る展開でなかったのにホッとしました。蔦屋の店員さんの解説が良かったです。2017/04/20
七色一味
39
読破。ネタバレありかも。こういう展開だと、結構お涙頂戴的な作品だったり「おらおらいい話だろ」的作品になりがちな感じなんですが、最後にやっぱりこうなるの？ とちょっとした捻りの効いた結末が用意されている短篇集。でも、逆にこういうのは予定調和なエンディングでもいいんじゃないか、という気もします。いずれにしても、なにか「ひと味」足りない印象。2014/01/13
emi
34
本当に人生は小さな選択の繰り返し。AかBか選んではまたAかBかの連続。もしもあの時Bを選んでいたら…、なんて事を一度は思った事ありませんか？そんなもしも、が叶うとしたらどうですか、という物語。古い腕時計と修理屋が、もしもを選び直す時間（昨日）にどうやら時を戻してくれるようです。選ばなかった選択肢を選ぶことで、じゃあハッピーエンドになるのかなと思いきや、そうとも言えないところが、ファンタジーなのに少し現実的。選ぶということは、誰にでもできる。大切なのは、選んだ結果からどう進むか。幸も不幸も自分次第ですよね。2015/10/03
yu
34
よくも悪くも、想像通りのお話。 あの時ああしていれば！という後悔を心に持った人々。ひょんなことから止まった腕時計を直しにある時計店へ。次の日に修理された時計を受け取ると、時間が１日前に戻っている。さて、昨日の後悔をどう取り戻すか？といったようなファンタジーな短編集。さくさく～っと読める１冊。2014/03/04
フリスビー
22
「六枚のとんかつ」と同じ作者とは思えない真面目な内容です。過去をやり直せる腕時計に導かれた人々が迷い込む迷路。ありがちな内容に思わせて、しっかり罠を仕掛けてあるところが作者らしいです。挿絵の使い方も効果的。ただ、「エピローグ」「その後の二つの物語」は蛇足だったかな。「夜明け前がいちばん暗いんだよ」の一言にはぐっと来ました。2014/03/13
