内容説明
毛沢東政権下、激動と混乱の中国。極貧の村に生まれたツンシン少年は、11歳のとき選抜され、北京の舞踏学院でバレエの英才教育を受けることに。毛主席を敬愛し、理想に燃えて厳しい訓練に耐え、頭角を現していくツンシン。だが、改革開放政策で訪れたアメリカで、「堕落」しているはずの「西側」と出会い、ツンシンの心は激しく揺れる…。
目次
第1部 子供時代(大やけど;大好きな母さん;井戸の中のカエル;文化大革命の嵐の中で;村で最後の昔ながらのとむらい;毛主席、万歳!;故郷を離れて)
第2部 北京(十億人にひとりの新生活;かごの中の鳥;孤独な一年;万年筆;心の声;シャオ先生の言葉;転機;マンゴー;王子のふりをした農民;西側への道;堕落した資本主義国家アメリカ;さよなら中国)
第3部 西側世界(自由の国に戻って;エリザベス;亡命)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にしき よう
2
映画を観てからと思っていたのについ先に読んでしまった…。 貧しい農村の少年が思いがけず選ばれて(え、そんな方法で?!)バレエダンサーを志すのだが、当時の中国の農村の生活や共産主義国家の状況などもわかって興味深く読めた。やがてアメリカに渡り自由と恋を知り亡命を決意するのだが、残された家族のことを思うと他人事ながらハラハラした(国家体制も緩んできた頃だった為か、惨いことになっていなくてホッとした)。 ツンシン少年が親や先生から聞いた昔話(故事?)をよりどころに努力を重ねる様子に心ひかれた。2010/09/06
いしくら
1
国家や家族について、色々と考えさせられた。 この環境の中、家族の愛と先生方の協力と支えを得た事、友達との温かい交流も描かれていた事こそ素晴らしかった。映画の方も是非見たい。(2011) 2011/05/20
虹の蛇
1
心を動かされる作品であり、「奇跡のような実話」。ぜひ映画も見たくなった。友人や恩師、家族との深い心の交流や、毛主席を敬愛する心境がどう変化していったのかを画面でどのように表現されているのか気になる。ちなみに映画はオーストラリアで製作されているとのこと。2011/01/24
ning
1
映画や小説で知る中国には、底知れぬパワーを感じるときがある。7人兄弟の6男の少年が、食うものにも困る貧村から飛び出し、アメリカで一流のダンサーになるまでの物語。少年時代の生き生きとした日々がたまらない。亡命し、成功したあとの半生に費やすエピソードは短いが、前半の輝きが強烈過ぎる所以か…。2010/08/15
diaspora
1
★★★毛沢東政権下、貧しい農村部に生まれたリー・ツンシン少年がチャイニーズ・ドリームを掴むまでの物語。ソフトに描かれているものの、実際の苦労や弾圧は相当なものだったと思う。運と才能と努力に加え、国と個人の戦いがある。それはアメリカン・ドリームの比ではない。農村部と都市部、中国とアメリカのカルチャーショックが激しい。 『アンジェラの灰』が好きな人はきっと本書もきっと気に入るはず。彼らの逞しさへの共感、家族愛の素晴らしさ、逆境の中から夢を掴む清清しさがあり、読後感もよい。2010/08/30
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