内容説明
死との狭間で苛烈な戦闘が続く、戦争という非日常の極限状態の中で、兵士たちの日常生活は粛々と営まれる。激化する日独対戦を背景に、軍隊という非人間的組織で苦闘する兵士の心の心奥に迫り、米国上陸作戦の戦闘、米国土における日本軍に対する独軍戦車部隊の猛攻、冨岳のベルリン爆撃などを活写。戦争というリアルの深層に肉薄。書下し短篇『看過せず』付きの待望の文庫化。
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年、石川県生まれ
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感想・レビュー
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フロム
5
皇国、レッドサン等色々読んできたが、一連の著作の中で本作の出来が一番良い気がする。作者の才気があふれ出ているし何よりノリノリなのが読んでいるこっちにも伝わってくる。佐藤大輔の著作で一冊問われれば僕はこれを推す。外伝のしかも2冊目だけど2017/07/31
Masato Watari
1
レッドサンブラッククロス世界の短編集。 架空戦記という先入観無しで読む事を勧めます。本編の3・4巻が出た頃に刊行されたので思うのだが、こう言う短編集を出して欲しい…2004/01/01
こぼこぼ
0
鹿内靖が登場する「塹壕にて」「ある中尉の戦死」「看過せず」が渋過ぎる。「新戦艦建造に関する往復書簡」「九九九艦隊計画概論」は小説と云う形式からはかけ離れているが,世界観を堪能出来る。「ダイターン3」のあるエピソードの台詞「嘘八百の世界を実現するのは、貴様が思っているほど簡単なものではない。」を思い出した。2015/10/30
鐵太郎
0
レッドサンブラッククロスの外伝2。新書版から一作増えた8編の短編集です。新作の「看過せず」は、航空軍大尉だった鹿内靖のお話。世の中には、曝かない方がよい墓もある。その墓を暴かないと決めるのが誰かによって、その墓は変わる。ちょっと怖くないかな? 2008/07/26
はばたくキツネ
0
珠玉の短編集。『ある中尉の戦死』『看過せず』、二編の刑事モノがなんとも言えない後味でずっしり来る。最悪、本編は書かなくてもいいからこういう短編集を時々出してくれるとありがたいのだが。2012/02/26