目次
保守思想の源流―福沢諭吉
精神の平衡感覚―夏目漱石
死者の民主主義―吉野作造
純正社会主義の「偏局」―北一輝
自由なき自由主義者―河合栄治郎
風土論の陥穽―和辻哲郎
国体主義の重厚と硬直―伊藤博文
戦後現実主義の限界―吉田茂
ニヒリズムの脱出口―坂口安吾
異人としての民族主義者―竹内好
大衆イメージの動揺―吉本隆明
審美主義の鋭利と閉塞―小林秀雄
保守思想の神髄―福田恒存
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
14
福沢諭吉から始まり福田恒存まで13人を俎上に乗せて分析してくれています。掲載された雑誌が余りメジャーでないのがよかったのかもしれません。比較的西部さんの言いたいことが前面に出てきていて一般論的ではないかなり難しいこともいわれています。私が好んで読む河合栄次郎や小林秀雄についてもかなり詳しく触れてくれています。2014/08/12
さきん
4
天皇の位置づけ、保守のあり方、戦前の政治、思想、人物に着目して論じていく内容である。2015/07/08
はこ
2
恥ずべき事だが、私は「思想」に関連する本はどんなものであれ、意識して避けるようにしてきた。それらの本を全く読まなかった訳ではない。「大衆の反逆」や「風土の日本」、「日本の失敗」などは、思想というものがいかに様々な要素(特に歴史)に関連付けられているかを教えてくれた。だがそれでも、真っ向から向かう気にはなれなかったのだ。戦後民主主義に対するアレルギーのせいもあったが、良き案内者をもたない限り、たやすく誤った方向へ進んでしまうだろう、という事も明白だったからだ。西部邁のお陰である程度の指針ができたように思う。2012/04/25