内容説明
青井竜介は息子のやすしを連れた散歩の途上、めったに足を踏み入れたことのない一角に迷いこんだ。十五年前にたち退き命令の出た都営住宅街、朽ちた廃屋の並ぶ迷路の町。湿った土の並木道のつきあたりにあった不吉な印象の駄菓子屋の親爺と目があったとき、竜介は目が眩んだ。十五年前に死んだ祖父の顔とそっくりだったのだ。目が窪み、頬骨がとがり、蒼い顔をした親爺は…忍び寄る恐怖。現代の怪談十話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
25
こわい。。確かにどれも怖いんだけども、ただ恐がらせるだけでは終わらせない、安定感のあるストーリーからの見事などんでん返しに沿う“愁い”に大人な上品さを感じさせる十篇の現代怪談。。お気に入りは、とびきりのフェイント術にすっかり騙される「G街の幽霊」、「ランドセル地蔵」。テーマが素晴らしく、しかも星新一的な隠し味にニヤリな「発狂公園」。2017/07/29
キー
9
内容説明には、現代の怪談十話、とありますが、怪談、というより、昭和風に言うと「奇妙な味」の作品集。 愛人と、既に死んでいる妻とが、共に霊力が強く、霊力合戦となる「ランドセル地蔵」。 出版社社長が、生き霊を飛ばして中東テロリストと戦う、という「生き霊」。 など、どの作品も多かれ少なかれ、かなり、変、でした。 本のタイトルから怪談を期待したのに思っていた内容と全く違うし、どの作品も感動には程遠い、不思議を通り越してヘンテコリンな作品ばかりですが、なぜか嫌な読後感がない、ということが、不思議です。2021/03/04
Spok
8
怖いし面白い。1話目の散歩で引き込まれ生理的に嫌な話や気持ち悪い話なんだか笑ってしまう話ととても楽しめた。2018/04/21
Toshi
5
嵐山光三郎の怪談10編。なかなか面白かった(^O^)/2016/07/17
tomomo
0
図書館本 ホラー だけど、どこか暖かい 2020/01/08