内容説明
『左伝』は儒家の経典の一つであり、『論語』『孟子』とならんで、日本人の教養に不可欠の書物であった。『左伝』は、春秋五覇を中軸とする覇権の推移、列国の興亡はもとより、当時の社会制度、軍事・宗教・経済と文化、さては諸種の社会習俗についてたくさんの知識をあたえてくれる。興亡期に見る人間の原型。「春秋五覇」の壮大な治乱興亡と、その渦中でくりひろげられた多様な人間ドラマを、簡潔・雄渾な筆致で活写する。人間学の原点ともいうべき書。
目次
1 鄭の荘公小覇の時代
2 斉の桓公制覇の時代
3 晋の文公制覇の時代
4 晋・秦・楚鼎立の時代
5 楚の荘王制覇の時代
6 晋の復覇の時代
7 中原休戦の時代
8 呉越争覇の時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
若黎
6
ビギナーズ・クラシックスシリーズで左伝を買おうかなと思ってたら、積読山に埋もれてた。むかぁし、イソイソ買った割には読めーんと放置したようだが、今日はスルスル読めてしまった。訳が良いのだと思う。左伝を読んでみたい人は、これを読んでみるのも良いと思う。それにしても、積読山はなかなか減らんのう。。。2021/08/16
6 - hey
4
岩波文庫よりも口語的な訳になっており、読みやすかった!2013/01/07
のんたん
3
「訳文を現代日本語として通用するものに仕上げることを最大の努力目標とした」とあるように、訳文が非常にわかりやすく左伝の入門書として最適。適度な解説もあり、読み始めると想像が膨らみ、どんどん引き込まれてしまう。2014/11/10
松平俊介(東龍)
2
松枝茂夫の名訳で大変読みやすい。岩波文庫三巻分を、時代ごとに区切って面白いところだけまとめた「左伝記事本末」に近い独自の構成にしている。これを読むと、左伝が中国歴史小説の元祖であることがよく分かる。左伝(春秋左氏伝)は通読が非常に難しい本だが、これは小説のように読める。2014/07/19
ソルト佐藤
1
本来は(注釈なので)バラバラに記載されている内容が事件ごとに整理されていて読みやすい!多分、本来の形ならばすぐに投げ出してだろう。訳文もいきいきしてよい。(編集の仕方も)それにしても、戦争の描写は本当によい。わくわくさえしてくる。もっと長めに抜粋してくればよかったのに。2010/01/12