内容説明
この本は角野栄子さん作「魔女の宅急便」(福音館書店刊)を映画化するにあたり、宮崎駿さんが書いた詩と、スタジオ・ジブリの作画スタッフが描いたイメージボードによって構成したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
141
風ったら、そんなに慌ててどこに行くの。ここはわたしの星だから、いつでもわたしに会えるから。なのに、この星には行く宛てがないの。わたしを待っている人が誰もいないの。ジジ、どうしたらいいの。屋根裏部屋でひとりぼっちで苦しいわ。魔女の世界って大変ね。…ちょっと待って!こんなわたしを呼び止めてくれた人。…ねえ、海風が気持ちいいわ。波しぶきも綺麗。わたしはひとりじゃないのね。…世界中に花束を届けなきゃ。ホウキに乗ってどこまでだって翔べるから。ずっと遠くまで。…昨日までは寂しかったけれど、一つの出会いが人生を変える。2021/05/13
ムッネニーク
64
159冊目『元気になれそう 映画「魔女の宅急便」より』(宮崎駿 詩、近藤勝也/大塚伸治/近藤喜文 絵、1989年7月、徳間書店) 『魔女の宅急便』(1989)を映画化するにあたり宮崎駿監督が書いた詩と、作画監督を務めた3名が描いたイメージボードを纏めた絵本。 ポエミィな詩は少々乙女チックに過ぎる様な気もするが、添えられた水彩イラストはどれも美麗で心が奪われる。下書きの線が残るラフなイラストなのだが、むしろそれが未熟な少女・キキの内面を雄弁に語っている。 〈坂の上の小さなパン屋 その屋根裏部屋が 私の家〉2024/12/31
馨
48
魔女の宅急便の詩。映画では、毎日一所懸命に仕事をして思春期の葛藤なんかで思い悩みながら成長する姿が印象的で明るくて前向きなキキのイメージが強いですが詩で読むと結構センチメンタルな繊細な思いが入り混じっていたり少しだけ気弱な部分があったり本当に周囲にいそうな少女って感じでした。2017/09/16
織町
16
“ふと迷い込んだ細い坂道 影につつまれた石垣の間の小道を 歩いていたら くぐり戸のむこうに みどりにかがやく庭が見えたの なんて キレイなんだろう 世界って 本当はこんなにキレイだったんだわ 急に 心の扉があいたみたいな瞬間”駿さんが詩を書いた魔女の宅急便の詩集。キキとお父さんが抱き合う場面の絵がとても好きだなぁ。鉛筆の線は自由で、その人の線がよく出るので好き。キキの、まっすぐな、不安な、期待が、詞にこめられていてなんだかあの頃をよく思い出す。元気になれそう、って言葉、いいな。目の前のきらめき。
うえはる
10
疲れた時に、ちょっとほっこり。2014/10/18