内容説明
乗客の失踪が相次ぐ大西洋横断客船“海のスルタン”号。消えた妻子の行方を追うため、乗船した敏腕捜査官マルティンの前に、次から次へと謎が―。巨大な船の奥底で一体何が起きているのか?鬼気迫る捜査から導き出された驚きの結末とは?ドイツ屈指のベストセラー作家がばく進させる、前代未聞の閉鎖空間サスペンス!
著者等紹介
フィツェック,セバスチャン[フィツェック,セバスチャン] [Fitzek,Sebastian]
1971年、ベルリン生まれ。テレビ・ラジオ局勤務のかたわら、2006年に『治療島』で作家デビュー。同作はベストセラーとなり、ドイツのミステリー賞フリードリッヒ・グラウザー賞の最優秀新人賞候補作となる。以降も精力的に作品を発表、サイコ・スリラーに大胆なサプライズを仕込む作風でベストセラー作家としての地位を確立
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年、茨城県生まれ。上智大学ドイツ文学専攻博士課程満期退学。ドイツ文学翻訳家、和光大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
87
怖い、おぞましい。そんな場面が次から次へと現れて、ホッとできる場面がありません。1つ解決して余韻を味わえると思ったら、また予想だにしていなかったつらい事実が待っています。事件も悲惨ですが、おとり捜査の実態も凄すぎて、こんな社会で生きていくのは怖すぎます。平凡に見える生活に潜む闇。事実は小説より…だとしたら、クルーズ船には乗れなくなりそうです。それも作者の力量ゆえでしょうか。2021/06/28
goro@the_booby
77
大型豪華客船で起こる行方不明事件は年間相当の数に上るという事実を基に仕立てたミステリー。妻子が船から落ちたのか自殺なのかも分からず苦悩する囮捜査官マルティンに掛かって来た電話は、手掛かりを掴んだと知らない人間からだったが、マルティンは同じ客船に乗り込んだ。短い章割りでまるでドラマのような展開で進んでいく。迷路のような客船内部に怪しい人物。人を殺める舞台としては一番でしょう。警察官が居るわけでもなく、船は急には止まれない・・・。一番悪い奴は誰だ!2022/08/04
オーウェン
67
捜査官のマルティンは5年前乗船したサルタン号から消失した妻子がいた。その妻子に秘密があると言われ、同じ船に乗ると、今度は消失した少女が現れたり、船内には殺し屋がいたりすることが分かる。 大まかな目的はあるが、それに加え同時進行のエピソードが幾つかある。とっつきにくい会話の難はあるが、真相に向かってスムーズに進んでいく。衝撃の結末といえるほどではないが、充分楽しめた。2023/02/23
NAO
57
あまりにも巨大で乗務員ですら知らない空間があり、しかも誰もそこから移動できない動く密室である豪華客船。航行中の客船から失踪し、2ヶ月後どこからともなく船内に現れ、再び消えた少女。少女が持っていた、同じ船の中で失踪した少年のテディベア。失踪した少年の父親である敏腕囮捜査官マルティン・シュヴァルツが、船の秘密を探り始める。何層にも別れ、乗務員でさえ立ち入りできないスペースを持つ大型客船。そんな船だからこそ、豪華で美しい表側とは裏腹に、とんでもなく醜悪な面を持っているのかもしれない。船だけでなく、乗客たちも。2022/09/21
タツ フカガワ
54
ベルリンのおとり捜査官マルティンもとへ、豪華クルーズ船〈海のスルタン〉号で2か月前に姿を消した母娘のうち15歳の娘が船内で発見されたという知らせが入る。5年前、同じ船でマルティンの妻と幼い息子が行方不明になっていた。急遽ニューヨークへ向かう同船に乗り込んだマルティンは、クルーズ船の闇のなかから真相に辿り着く。年間20数名がクルーズ船で行方不明になっている現実のなかて、ほとんどが自殺、事故で処理されているらしいけれど、この結末は衝撃、面白かった。2025/01/12
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