出版社内容情報
シリコンバレーで起業した30代後半、日系3世の女性レイ。
80年代アメリカの小学校時代に周囲から受けた壮絶ないじめの後遺症を今も抱えながら、黒人の同僚とコンビで自社製品のプレゼンに駆り出される日々を送る。
精神安定剤を手放せないレイは、大仕事を前に休暇を命じられ、旅に出る。
日系1世の祖父母が戦中に入れられたマンザナー強制収容所、レイの母がひとり暮らすリトル・トーキョー。自らのルーツを歩いたレイは、目を背けていた本心・苦しみの源泉を知った。
複雑な形で差別の問題が日常にある3世の苦しみ、母親との関係。
日本とは、日本人とは、私とは何か――。
VRや音楽のミキシングアプリを対比させ、問題を鮮やかに巧みに
浮かび上がらせる。「マイノリティとしての私たちのこと」を問いかけた傑作。
第30回三島賞受賞。芥川賞候補。
様々な人種が暮らし、薬物の誘惑も幼児虐待も当たり前に転がるニューヨークで、女子プロレスラーとして働く姉の稼ぎで小学校時代を送った。やがて当たり前のように、一つの悲劇が起こる――日本人青年が、かつての生活を振り返る「半地下」も収録。
内容説明
米国に住む日系三世、38歳の女性プログラマー・玲。小学校で「豚」と苛められた凄絶な記憶、二世の母との関係に苦しみ、PTSD治療を受けている。祖父母のいたマンザナー強制収容所の跡を訪れた玲は問う―「わたしたちの世代の最良の精神」はどこにある?三島由紀夫賞受賞の鮮烈な感動作。「半地下」併録。
著者等紹介
宮内悠介[ミヤウチユウスケ]
1979年、東京生まれ。92年までニューヨーク在住。早稲田大学第一文学部卒。2010年「盤上の夜」で創元SF短編賞山田正紀賞受賞、12年同作収録の『盤上の夜』で日本SF大賞受賞。13年第二作『ヨハネスブルグの天使たち』が日本SF大賞特別賞、(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。17年、『カブールの園』で三島由紀夫賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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南雲吾朗
路地
miri
hanchyan@つまりはそういうことだ
hnzwd
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