出版社内容情報
歴史に名を刻んだ剣豪、現代に生きる伝説的な武人。その壮絶な技と人生を通じて、日本人の武とは何かを考える、著者最後となる一冊。
津本 陽[ツモト ヨウ]
著・文・その他
内容説明
歴史に名を刻んだ名剣士と、現代に生きる各流派の伝説的な武人。その壮絶な技量と圧倒的な人生を通して、日本人の武を考え抜いた作品です。著者の津本陽氏は、自ら剣道三段、抜刀道五段の腕前であり、武芸への造詣も大変深い作家でした。本書には、津本氏本人の剣術修行の様子も描かれ、「体験的武道入門」といえる内容です。
目次
第1話 近藤勇と比肩した男
第2話 永倉新八の竜尾の剣
第3話 明治政府の剣豪
第4話 江戸幕府最後の侍と明治維新
第5話 薩摩隼人と示現流
第6話 龍馬暗殺現場の試斬
第7話 見事な死にざま
第8話 柳生新陰流の極意
第9話 大東流・佐川先生の俤
最終話 夜半の素振り
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
昭和4(1929)年、和歌山市に生れる。東北大学法学部卒業。昭和53年『深重の海』により第79回直木賞受賞。主な著書には『闇の蛟竜』『宮本武蔵』『柳生兵庫助』『独眼龍政宗』『下天は夢か』『乾坤の夢』『獅子の系譜』などがある。平成7年『夢のまた夢』で第29回吉川英治文学賞を受賞。平成15年旭日小綬章を受章。平成17年第53回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
41
剣道をしている人や格闘技をしている人にはたまらん部分があるかも。私は文系なのでわからんけど、津本さんの剣豪小説は読みたくなりました。歴史小説はたくさん読んだのだけどねえー2023/10/02
藤原
17
剣の玄人である津本陽ならではのエッセー集。相当にマニアックで、正直これを楽しめる人は限られていると思う。各章に掲げた武芸者の話とそれに沿った自身の体験談を語っている。大東流武田惣角のおとぎ話の様な名人伝や、示現流東郷重位の話は薩摩の気風が現れていて面白かった。暗い戦時中に剣道に打ち込んだ少年時代話もあれば、唐突に刀剣乱舞の話が出てきたりするのには笑う。津本陽は平成30年に89歳で亡くなられたのだけど、最晩年に流行った刀剣乱舞にまで言及するあたり最期まで武芸を愛していたのだと伝わってくる。2020/01/16
またべえ
10
坂本龍馬と中岡慎太郎が室内でどうやって斬られたか推定しているところが興味深かった。2019/12/03
Book Lover Mr.Garakuta
9
そうなのかと突っ込みたくなるような話の展開で、現代と過去の間を行ったり来たり、実際戦いあう場面は、迫力がああるものの実際そうなるのと思う。小説というよりは、自伝集と言うかエッセイに近いものがあると思った。実際に剣豪に取材するところが面白い。JR立花駅直の立花商店街の本屋(小林書店で)で購入2019/01/25
武井 康則
4
まず武道を嗜んでいる経験や昔話から明治期の剣豪にまつわる話へと移る趣向なのだが、自分の経験等と後の話が繋がっていない。経験談で、学生期の勤労動員等でのただ、愚かで不愉快な軍隊話であったりする。エピソード自身は興味深いのに、楽しめないのは、本との相性が悪いだけなのかどうか分からない。2019/01/22
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