出版社内容情報
有名マジシャン・ベリーが招かれたのは時がさかしまに流れる街だった! ベリーは老い人々は若返る。奇妙で切ない松本清張賞受賞作。
蜂須賀 敬明[ハチスカ タカアキ]
著・文・その他
内容説明
「墓荒らしに協力はできない。これは犯罪だ」―マジシャンのベリーは興行先で妊婦のこうこに墓を掘り起こす手伝いを求められて激しく抵抗。しかし墓穴から連れ出された老婆・ありさは日ごとに若返ってゆくのだった。時がさかしまに流れる街で、ペリーとこうこの関係は一体どうなってしまうのか?奇想天外で落涙必至の物語。
著者等紹介
蜂須賀敬明[ハチスカタカアキ]
1987年神奈川県出身。早稲田大学第二文学部卒業。2016年『待ってよ』で第23回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Lara
85
とある街では、人は老人の肉体で生まれる。だんだん年を取ると共に、肉体は若くなって、40代30代、そして学生時代を経て、最後は赤ん坊になり、とうとう娘の体に「還って」いく。それはいわゆる妊娠であり、同時にその街では死だ。なんだかとても、不可思議で、ホラーかサスペンスかと思えばそうでもなく、取っ付きにくかった。正直、不快感を持った場面もある。がしかし、視点を変えると、家族愛が底に流れている。う~ん、とても奇奇怪怪な設定だが、人は愛によって生きるか!2022/02/10
りー
23
突飛な設定はあくまでもお飾り…というよりもおそらく著者の「老人と赤子って似たところあるよね!」とかそういう発見に基づく遊び心なんじゃないかといったところで、この物語の本質はそんな設定にあるわけではない。人の成長や生き方について著者なりに色々考えて、それをこの設定に乗せて世の中に問いかけてみたかったんじゃないかっていう印象を持った。押し付けがましい感じも哲学っぽさもなく、純粋に素直に「人の成長とか生き方って不思議だよね?そうだよね?」と問いかけている様な姿勢になんとなく好感が持てる小説だった。2018/10/01
ちょん
21
思いがけない衝撃作品。産まれてから死ぬまでがさかしま(逆さま)に進む地域の話。墓場で産まれて母親の子宮に戻って死ぬ。何だこの世界。世界観理解するのにちょっと戸惑いましたがあっという間にのめり込んでしまいました。「私が分かるか、こうこ。私は君だと分かるぞ」涙がホロホロ出てくる優しい1冊。2020/12/10
R2
6
ありさの誕生は気持ち悪かった。死の匂いや人間の下の生々しい表現で読むのをやめようかと思った。だけど、そこは我慢我慢。すると、段々この世界に理解が出てきた。子供になって知識が幼くなり理性や知識が減っていくから、小学校で勉強する!なんて説得力があるんだ。 そして、題名の「待ってよ」と表紙の階段が秀逸。ベリーとこうこの言葉より互いの体を求め合っているシーンで意味がわかった。性欲が抑えられないというより、若返りたくない衝動が体を支配している。とても寂しく目に涙を溜めて読みきる。時間じゃない、"心からの待ってよ"!2018/06/24
GORIRA800
5
キモいともいえる場面をこの感動めな作品で書ききったのはえらいと思う 2018/10/04