文春文庫<br> 街のはなし

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文春文庫
街のはなし

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167169343
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

街ですれ違った人や料理屋でふと気づいたこと、身のまわりの出来事を、温かく、時には厳しく見つめて描いた名随筆七十九篇を収載

内容説明

「私には、妙な性癖がある。(中略)一度見た人の顔を、月日がたっても不思議に覚えている」―作家の眼差しが、温かく、時に厳しく人々に注がれる。街でよく見かける“ころび癖”のある女性、年々逞しさを増す妻と弱々しくなっていく夫、カメラを異常に意識する女優…。ユーモア溢れる極上エッセイ79篇。

目次

入学祝い
赤いリボン
電話のはなし
ドアをしめる
席をゆずる
万引き
白い鉢巻
お買い得
十七歳の少年
最敬礼
白い足袋〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

92
寝しなに少しずつ読みました。小説では味わえない、吉村さんの真のやさしい気遣いが伝わってきました。永いコロナ渦で、イラつく気持ちを和らげてくれます。日常の出来事を4頁で綴っています。作家の感性と観察力は流石です、文才のない私の日記と比べては無礼千万ですが…おもしろいです。2点紹介します。頼まれごとを忘れる夫にとった、奥方の窮余の一策…【赤いリボン】。友人から借金の申し入れ対策法の【K君の助言】は、とても参考になりました。吉村さんのエッセイは最高!です。2022/10/06

Shoji

61
とても面白かったです。吉村昭の小説が大好きで、高じてエッセイも手に取ってみました。日常の一風景を切り取って作文しているだけですが、そこはやはりプロ。軽快な筆致で読み手を楽しませます。吉村昭の小説に特有の重苦しさとは無縁の世界です。肩ひじ張らずカジュアルに読むことができました。2018/11/28

タツ フカガワ

57
身辺雑記的な全79編のエッセイを所収。女性や食べ物に関する話題が多く、それだけに吉村さんの飾らない素顔が見えてくるようだ。たとえば夫婦喧嘩で「出てゆけ」と乱暴な言葉を投げつけていたのが、十数年前からは「出てゆく」と呟くようになった『出てゆく』、「茶色を好む女性は頑固な性格」説の『茶色』には思わず笑いが漏れました。一編が原稿用紙四枚ながらその観察力・描写力には驚かされる。2023/01/02

KEI

39
初めての著者のエッセイ集。本人曰く『一度見た顔はほとんど忘れ無いという特技に近いものがある』と書かれているが、ただ単に外見だけではなく、洞察力、想像力に優れている事に驚かされる。既読の歴史小説が詳細に時代背景や事実を描写しているのに反して本書は氏のユーモアや妻・津村節子氏との睦まじさを感じさせるものだった。例えば、忘れ物をしない様に指にリボンを巻いて出勤したものの、それを忘れて、家に戻ったら妻も頼んだ内容を忘れていた。等、挙げたらキリがない。身近な素材を素晴らしい感性で描いたエッセイだった。2022/12/12

KAZOO

35
これは、クレアという女性向けの雑誌に書かれたエッセイを約6年分まとめたものです。結構観察眼がするどくよく作家の目というかきめ細かさが見て取れます。まあ女性向けということと、雑誌という媒体のせいかいつもの吉村さんには感じられない部分もあってたのしめました。2014/10/15

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