出版社内容情報
二月二十六日未明、宿泊中のホテルで火事に遭遇した浪人生の孝史は間一髪で逃れるも、気づくと雪降りしきる昭和十一年の東京にいた。
内容説明
一九九四年二月二十六日未明、予備校受験のために上京した浪人生の孝史は宿泊中のホテルで火事に遭遇する。目の前に現れた時間旅行の能力を持つという男と共に何とか現場から逃れるも、気づくとそこはなぜか雪降りしきる昭和十一年の帝都・東京。ホテルではなく、陸軍大将蒲生憲之の屋敷だった。日本SF大賞受賞の長篇大作。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年生まれ、東京・深川育ち。法律事務所勤務を経て、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。以降、「龍は眠る」で日本推理作家協会賞(92年)、「本所深川ふしぎ草紙」で吉川英治文学新人賞(同年)、「火車」で山本周五郎賞(93年)、「蒲生邸事件」で日本SF大賞(97年)、「理由」で直木賞(99年)、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞(2001年)、「名もなき毒」で吉川英治文学賞(07年)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
67
18歳の孝史は予備校受験で泊まった古びたホテルの地所が軍事クーデター、二・二六事件の際に自決した元陸軍大将、蒲生憲之邸跡だと知る。そのホテルで火災が発生、孝史は平田という中年の男に助けられるが、気がつくとそこは58年前の蒲生邸前で、奇しくもその日は2月26日だった。平田は過去~現在を自由に移動する能力を持つという。そんなとき邸内で一発の銃声が轟く。上巻はSF色濃い展開(日本SF大賞受賞作)で、宮部さんはなぜ二・二六事件を舞台に選んだのだろうと思いつつ下巻へ。2021/08/11
あらいぐま
47
主人公は受験に失敗したどことなく厭世的な学生。タイムスリップした二・二六事件真っ只中の東京で奮闘する。人が変わったように行動的になる主人公が面白い。このSFミステリーともいえる物語はどこに着地するのだろうか。2023/12/17
カブ
47
1994年2月26日から、昭和11年の同日、226事件の真っただ中へタイムトリップしてしまった孝史。20年以上も前の作品ですが、色褪せることなく読み応え十分。若い頃に読んでるはずだか、新鮮な気持ちで下巻結末へ。2017/11/29
えみちゃん
40
いまさらですが・・どうせ読むなら2月26日近辺で読もうと思ったもの毎年タイミングを逸してここまで来てしまいましたが今年はちょうどタイミングが良かったので・・と読み始めたワケですが・・。ざっくりいうと予備校の受験のために上京してきた孝史が宿泊していたホテルの火災に巻き込まれた末にタイムトリップ能力を持つ平田に連れられ昭和11年二・二六事件で戒厳令下の帝都に飛ばされる・・っていう物語。もともと歴史は好きなんですが、ちょうど近代史の辺りはいつも「あとは読んでおいてください」とされるエリアのため恥かしながら陸軍の2020/02/28
はるき
40
宮部さんの名作が表紙を新たに再登場。結構重めのストーリーですが、重厚で読みごたえがあるので皆様どうぞ宜しく?✌宮部さんの作風は縛りなし。八面六臂の活躍に毎度頭が下がります。2017/11/23