出版社内容情報
大和和紀さんの解説で、新たに息を踏み返した田辺聖子さんの幻の歴史エッセイ集です!
いまはなくなってしまった雑誌「文藝春秋デラックス」に連載されたものを本にまとめた作品。
スサノオからはじまり、卑弥呼、持統天皇、小野小町、紫式部、後白河院、淀君、北政所、西鶴、芭蕉、一茶、歌麿、一葉、桂春団治ら田辺さんの好きな歴史上の人物を紹介。半分エッセイで半分小説。紹介される人物は生き生きと動きだし、まるですぐそこで会って話したことがあるように描かれている。
田辺作品らしく考証もしっかりしていて、かわいげのある心憎いばかり人物を生き生きと描いているので、楽しみながら、安心して、歴史上の人物と交遊できる。
「戦後三十年たってみれば、若者は日本の歴史や、古往の人物について、全くなんの愛着も関心も持たないではないか。彼らにあっては母国の歴史は、教科書の中の無味乾燥で煩はん瑣さ な、受験用知識にすぎないのだ。私は、それらをみて胸が痛む。古い代に生きて戦い、恋し、苦しみ、死んだ愛すべき人々が、いまの若者たちの心になんの感動をおこすことなく、打ち忘れられ、かかわりをもたず、歴史に埋没してゆくのを悲しむ。受験用知識の、かわいた記号のきれっぱしとなった人々を惜しむ」(あとがき)
歴史上の人物を通して、若い人たちが、彼ら彼女たちが生きた時代や、ほかの時代の歴史へと興味をつないでいってもらえるような内容となっています。
内容説明
古き代に生まれ、恋し、苦しみ、戦い、死んでいった14人の歴史のスターたち。スサノオ、卑弥呼、持統天皇、紫式部、小野小町、淀君…そんな愛すべき人びとは、歴史の中で何を思い、いかに生きたのか。美しくも、醜くも形作られた主人公たちの生涯をなぞらえ、心に寄せて読み解いていく、古典&歴史文学散歩。
目次
夜明けの神々 スサノオ
冥界とこの世をつなぐ審神者 卑弥呼
女帝行幸 持統天皇
小町盛衰抄 小野小町
石山寺の月 紫式部
日本第一の大天狗 後白河院
戦国の女スター 淀君
難波すずめ栄華の世盛り 井原西鶴
詩人の死 芭蕉・蕪村・一茶
三国一の画工 喜多川歌麿
小説に虹を描く―樋口一葉
人を酔わせる天才芸人―桂春団治
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年大阪生まれ。樟蔭女子専門学校国文科卒。64年「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)」で芥川賞受賞。軽妙洒脱でユーモラスな小説を主体に歴史エッセイ、評論など幅広く活躍。87年「花衣ぬぐやまつわる…わが愛の杉田久女」で女流文学賞、93年「ひねくれ一茶」で吉川英治文学賞、94年菊池寛賞受賞。95年紫綬褒章受章。98年「道頓堀の雨に別れて以来なり」で泉鏡花文学賞、井原西鶴賞、99年読売文学賞受賞。2000年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
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