出版社内容情報
新米探偵の仁木と助手の美少女・安梨沙が営む小さな事務所には今日も奇妙な事件が持ちこまれる。6つの事件の後、安梨沙の決意とは?心優しき新米探偵・仁木順平と聡明な助手の美少女・安梨沙。ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』をこよなく愛する二人が営む小さな探偵事務所には今日も奇妙な事件が持ちこまれる。
・ママ友の集う育児サークル〈虹の会〉に部屋の予約取り消し、脅迫状などの嫌がらせが続く。犯人の目的とは?…「虹の家のアリス」
・産院から生まれたばかりの赤ちゃんが消え、両親の若いカップルは病院を訴えると息巻くが…「牢の家のアリス」
・猫好き掲示板サイトに、飼い猫が殺されたという書き込みが相次ぐ。猫の名前はABC順になっていた。…「猫の家のアリス」
・安梨沙の実家を用事で訪れた仁木は、家庭教師をしていたという女性に、安梨沙が自分に冷たくなった理由を知りたいと頼まれる。…「幻の家のアリス」
・仁木の息子の恋人に元カノがストーカー行為をしているというのだが。…「鏡の家のアリス」
・複数の依頼人から、花泥棒が相次いでいると聞いた二人は…「夢の家のアリス」
六つの事件の後で、安梨沙が心に決めた決意とは――。
解説・大矢博子
加納 朋子[カノウ トモコ]
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっぴー
53
アリスの続編です。今回は探偵仁木さん一家の内情を詳しく知ることができてウハウハです(´∀`)人の身勝手さや偽善から生じる誤解、すれ違いを軸にしたほろ苦いストーリーが魅力。マイベストは、悩んだ末に『幻の家』。細かな伏線にいじらしい犯人の動機。集会って、盛り上がるのは初めだけですよね。分かります。『鏡の家』と『猫の家』は、他人から見れば軽い犯罪のようなことを、善意と思い込むちょっとアレな人の話。常識が通じない人にかける魔法があればいいのに。次のアリスが待ち遠しい!2018/08/01
七色一味
52
読破。シリーズの第二弾。相変わらずの「アリス」愛溢れる作品ですが、前作とちょっと芯の硬さが違うかな、ほんわかふわふわなワタの中に硬質ゴムでできたトゲトゲボールが入っている、そんな印象を受けました。安梨沙の決意は報われるのか?まぁ、大抵は親の方が白旗上げるんだけどな。2017/01/17
優希
46
面白かったです。謎が謎をよんだかと思えば、亜梨沙は更なる問題に直面すると決意したのが格好良かったです。自らの人生に一歩踏み出したのでしょうね。2022/07/30
ジンベエ親分
43
「螺旋階段のアリス」の続編。前作が「夫婦の話」が多かったのに対し、本作は「家族の話」。前作では順平の妻しか出てこなかったが、本作では成人した2人の子供も出てきて、それぞれ良い味を出している。ミステリーとしても「鏡の家のアリス」は一級品。絶対アレだと思ったのに~(笑) そして前作もそうだったが、安梨沙が決意して一歩を踏み出すところで終わる。さらなる続編を期待したいところだけど、こんな「これから何かが始まる」という終わり方、案外良いね。また解説が素晴らしく「こういう文章を『解説』と呼ぶのだ」という名解説。2018/02/15
katsubek
35
家族の物語。そうとらえるのが正解でしょうか。主人公の家族が掘り起こされるように明確な輪郭を現してきます。それが無理なく行われるのは、作者の筆力のお陰。十二分に楽しめました。一方のヒロインも、少しずつ人間としての「正体」を見せてくれます。アリスは現実の少女へと変貌してゆくというわけです。とてもいいコンビ。少なからぬ読者が、いつか、二人の新たな活躍を読んでみたいと感じていることと思います。もちろん、私もその一人です。2018/11/11
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- 和書
- 菜園王 〈vol.2〉