文春文庫<br> トウ小平秘録〈下〉

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文春文庫
トウ小平秘録〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 357p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167838164
  • NDC分類 222.077
  • Cコード C0195

出版社内容情報

世界経済二位となった現代中国の路線を定めた彼は、どのように決断したのか? 毛沢東死去、天安門事件、南巡講話。膨大な史料をもと

内容説明

1976年、毛沢東が死に権力の座に空白が生まれたその瞬間を、トウ小平は逃さなかった。しかし長老たちは隠然たる影響力を発揮し暗闘は熾烈を極める。胡耀邦、趙紫陽、江沢民、胡錦涛…。表の顔を代々替えながらも、改革・開放の道を歩んだ現代中国の四十年を、記者として寄り添い続けた伊藤正が描き切った。

目次

第4部 毛沢東死す―宮廷クーデターの三〇日間(毛沢東死去―そして、すべてが始まった;現代の易姓革命―「大統領も皇帝も同じだ」;「四人組」逮捕―「宮廷クーデター」だった ほか)
第5部 長老たちの暗闘―改革・開放へと踏み出す(経済大国への道―まぎれもなく中核だった;日中友好ムード―反ソ親米の路線上にあった;対米開放―「米国についた国はみな富強になった」 ほか)
第6部 「先富論」の遺産―トウ小平後の中国(トウ楠発言の波紋―「党規約 父の名を消して」;「団派」ホープの熱弁―「政治特区」が急浮上した;軟禁十五年余の元総書記―政権は呪縛の中にいる ほか)

著者等紹介

伊藤正[イトウタダシ]
1940年、埼玉県春日部市生まれ。東京外国語大学中国語科卒。共同通信社に入社。香港、北京、ワシントンの特派員、外信部次長、論説委員長を歴任。共同通信社時代には、毛沢東の死(1976年)と天安門事件(1989年)に現地で遭遇。2000年、産経新聞社に移籍し、中国総局長を務めた。2009年、産経新聞で連載した『〓(とう)小平秘録』で、日本記者クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

glaciers courtesy

5
鄧小平は開明的と言われているが、自分の歴史そのものである共産党の一党支配の継続という部分については議論することすら許さず暴力を用いても圧殺する。その上での人生、政治活動だったことがわかる。そう考えると明治維新をもたらすために大政奉還をした徳川慶喜は偉大だったといえるが、比較出来ないのは自ら戦い政権を勝ち取った創業者世代の鄧小平と15代目の慶喜では全く環境が違うということか。もしくは生き残る政治家とはこのようなものだとも言える。驚いたのは中国と台湾の統一が合意寸前だった時代があったということ。知らなかった。2016/03/21

鈴木貴博

3
下巻は毛沢東の死とその後の権力闘争、その後も続いた曲折、そして最後に今に残された鄧小平の遺産を考える。上下巻を通じ、現在の中国の直接の原点と言える鄧小平とその時代について理解が深まった。2021/07/25

Roy

3
現代の中国の発展に鄧小平が果たした役割は計り知れないものがある。経済発展と共産党の独裁、経済的な革新と政治的な保守という構造を築いたと言ってもよいと思うが、天安門事件が起こる前後に革新派と保守派をバランスさせながら統治していたとも言える。また、一方で文革後に華国鋒を追い落とし、権力を掌握するために華国鋒と対立する保守派と共闘したことが後々まで続く微妙な権力構造を形作ったとも言え、鄧小平が実は党内の力学をコントロールすることに苦慮していたのではないかと感じた。2019/06/15

ホン

3
国民生活の向上、国家繁栄のためにアメリカ、日本とも協調し学ぶところも多いと感じた鄧小平だが一党独裁だけは絶対譲れないとする確固たるものがある。これだけの人口ともなればその方が好都合との判断なのだろうか、でも今 その既得権者による数多くの賄賂容疑、ますます広がる貧富の差による格差社会、しいては国の欲のため他国領土の侵害による国際秩序の乱れとか大きな問題が続発している。その中国の近代史の流れを知るのに絶好の作品だと思うがその中国では発売禁止になっているらしい、こういう作品こそ中国の人にも読んでもらいたいと思う2015/06/18

dexter4620

1
鄧小平は経済改革者のイメージでしたが、その印象を変えてくれる一冊。『周恩来秘録』に書かれていた失脚による浮き沈みだけでなく、南方巡行など晩年の政策や後継者選びについての情報も新鮮でした。何より、天安門事件の時に現地にいた筆者が書いていると言うことが名著の証拠でしょう。2024/01/20

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