出版社内容情報
渥美清の俳句に魅せられた著者が、十三回忌を機に多くの関係者に話を聞き、収集した句を紹介。映画の名場面写真を入れた全句集。
内容説明
俳句が趣味だった渥美清の作品を集め、句作に関する思い出を多くの人に聞いた一冊。全俳句と、その句を作ったころに公開された「男はつらいよ」シリーズの写真も掲載。渥美清の作なのか、「寅さん」の作なのか、読者を惑わせながら、俳号の「風天」そのままに、ノスタルジックで少しさびしい世界へといざなう名句の数々です。
目次
第1章 埋蔵されていた風天俳句
第2章 「話の特集句会」と「アエラ句会」
第3章 隠者と日暮れの寅さん
第4章 あっ、あのときの情景だ!
第5章 寅のアリア
第6章 お遍路が一列に行く虹の中
風天全俳句
著者等紹介
森英介[モリエイスケ]
1939年徳島県生まれ、63年早稲田大学卒業。同年毎日新聞社に入社し、社会部、「サンデー毎日」編集次長、「毎日グラフ」編集長、出版局次長、(株)東京データネットワーク専務を経てコラムニスト、NPO法人ふるさと広報センター代表。「俳句αあるふぁ」誌に「俳句ちょっといい話」を連載(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
17
「お遍路が一列に行く虹の中」 2000年2月に刊行された『カラー版新日本大歳時記』の春の巻に収録されたこの俳句。その作者は「男はつらいよ」シリーズでお馴染みの俳優・渥美清。俳号は〝風天”、著者は、渥美清が「アエラ句会」に参加していたこと、さらには、その句会以外でも 俳句を作っていたらしいと知り、その句を探し始めます。その後、「話の特集句会」にも参加していることが分かり、和田誠からの情報で(続く2023/03/08
駄目男
1
実は渥美清という人は有名人としてではなく、一般人として多くの句会に参加し、生涯、220作以上の句を残し、俳句への興味から作風の傾向など、まず、作品の収集から始まり解説、友人、知人の証言を元に、俳人、渥美風天の魅力を探っていくのが本作である。 通読して言えることは、仕事、家族のことなどは全く詠まず専ら、見たままの自然の風景の一コマを切り取ったような描写力がとても上手い。 大スターというしがらみから抜けて一市井の素人俳人として、ある句会では自分のことをこんな風に紹介していた。 「会計係の渥美清です」2016/05/12
きたくり
0
寅さんで有名な渥美清が俳句を作っていたんだと最近知ってこの本を見つけた。俳号は“風天”。寅さんのキャラクターとは違う渥美清という人を垣間見れる本でもあったし、後半には「風天 全俳句」も載っている。静かでもの悲しくて美しい句が多かった。人の心とは、感性とは、不思議なものだなぁ、いいものだなぁ・・・と思わせてくれる風天さんの俳句だった。好きな句のひとつ・・・「そのはねであの空飛んだか置物の鷹」。2015/04/18
刷子筆男
0
いかにもエリート新聞記者あがりのシニカルな言質はやや鼻につくが、フィールドワークで渥美清の俳句を全て発掘したのは秀逸。2010/02/15
nanasibunka
0
渥美清が風天の俳号で遺した俳句を紹介しながら多くの関係者の証言も集め、渥美清の評伝にもなっている。2020/12/27
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- 和書
- 悲しみの秘義 文春文庫