出版社内容情報
清痩鶴のごとし、と掉まれて逝った長塚節。その生のかがやきを清冽にえがく表題「白き瓶」と、初期名作「一茶」を収録する異色篇
内容説明
清痩鶴のごとし、と悼まれて逝った長塚節。その生のかがやきを清冽にえがく表題作と初期名篇「一茶」を収む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モトラッド@積読本消化中
39
★★★この巻は、かなり手こずりました。歴史上の人物=俳人の一茶と、歌人の長塚節とを題材にした長編二篇を収録。この二人にどれだけ興味を持っているかで、好みが分かれそうです。私の場合は、いまいち、のめり込めませんでした。とは言え、力作であることには間違いありません。史実に基づいているとは言え、創作の部分も多く、先生としては腕の見せ所だったと思います。2020/08/25
J.T.
7
一茶だけ読了。同じフリーランスの身からすると、(一茶もフリーランサーだったのだ)生活が維持できるか、これから自分はどうなってしまうんだろう、の恐怖に絶えずさらされる感じはよーく分かる。この本では、生きること、生活することが小林一茶の一番の課題だったのだなと伝わる。 それはそうだろうとは思うのだが、なんか釈然としない。一茶の残した幾つかの達観したようなユーモアのある句と、腹違いの弟家族に対したややえげつない感じの対応にギャップを感じたまま、読み終えた。2018/09/13
たつや
4
冒頭の月報にある、藤沢周平の学生時代のエピソードが興味深く、また、こういう文章も上手いんだなあと、感動した。本編は、「一茶」と「白き瓶」を収録。題材は小林一茶と長塚節の伝記である。解説を読むと、相当、資料を調べた上で、藤沢周平は執筆された様だ。仕事に対する姿勢が目に浮かぶ。ただ、自分は二人に興味が無いせいか?楽しく読めなかった。まだまだ、勉強不足の様だ。出直そう。2025/01/27