内容説明
まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青葉麒麟
1140
この独特のユーモアがほっこりして温まる(⌒‐⌒)名字からして奇抜な行天の言動に振り回される多田がちょっと可哀想だけど、奇妙な絆の二人が羨ましい。脇役も魅力的な人ばかり。映画版が観たいな♪2013/03/18
ehirano1
1017
なんだか良い感じの読後感。イイですね。続編が欲しいなと思っていたら、ちゃんと続編があるようでなんと嬉しいことでしょう!2018/03/03
ヴェネツィア
993
限りなく普通(というのも変だが、常識的な)の感性を持った多田と、そこからは逸脱した行天のコンビネーションが推進力となって物語が進んでいく。また、そのためには便利屋稼業というのも如何様にも扱えて、それこそまさに便利である。そして、そこにペーソスを加え(ただし、やり過ぎると重松清のようになるので要注意)、さらには主人公たち二人にそれとなく過去を背負わせるという、いわばあざといばかりの綱渡りをさせたところに成立した物語。どうやら当初から続編を構想していたように思われる。それもまた三浦しをんの自信の表れか。2024/06/26
再び読書
943
三浦氏初読みです。これだけだと今後乞ご期待ってとこでしょうか?少し期待しすぎたのかも知れません。少しハードボイルド風の不思議感が漂う話でした。便利屋でありながら、結構腕も立つ、ちょっとした謎解きをするごとに、主人公たちの過去も、わかってきて謎が回収される、ミステリー風でもあり、表現しにくい。面白く読めたのだが、少し浅読みをした感があり、まだこの作家の魅力に辿り着いていない気がします。ゆっくり次を期待してチャレンジしていきます。2013/05/30
ちょこまーぶる
857
非常に面白くて映画になるのも納得できる一冊でした。啓介と春彦の便利屋を利用する人たちとの出会いから始まる人生物語のようで、しかも二人の関係には何とも言えない距離感があり、うらやましい限りの二人でした。しかも、便利屋という職業にちょっぴり憧れさえも持ってしまうような作品で、人生経験を積むには最適な職業なのかな~って感じましたね。登場人物は曾根田のばあちゃんにひかれました。やっぱり人生経験の豊富な人は違い~と。そして、まほろ市は自分が住んでいる町のすぐ近くだから、物語の中に知った風景が沢山登場し面白かったな。2014/10/22