感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さっとる◎
38
古川日出男による村上春樹「中国行きのスロウ・ボート」のリミックス(笑)。「オリジナルに対する愛情を、いまの枠組みの内側(なか)で演奏」した作品。古川日出男も村上春樹も大好きで、どちらも楽しめる幸せ。予想通り味わい?手触り?は全く異なるけれど(笑)。オリジナルをリスペクトしながらもはっきり日出男作品だ。喪失してきた大事なもの、そのあたりをきちんと書きながら、ここ(東京)は僕の場所じゃないと脱出を試みトロイの木馬を造り上げる。相変わらずサヴァイブしてんな(笑)。リミテッドジャパニーズで闘う日出男が好きだー。2016/11/12
紫伊
23
この方の作品はわたしにとってとても不思議な存在。どこがどう好き、と具体的に言えないのだけれど引き込まれる。若さに任せてがむしゃらに突き進みながらも壁が立ちはだかる空気感や彼女が去っていく喪失感、そしてそれらを綴る言葉達。独特の言葉のリズムや使い方がわたしにとって言葉に上手くできないけれど好きでページを先へ先へと捲らせる。元となった村上春樹氏の作品も読んでみたい。2020/01/15
佐島楓
16
村上春樹さんの「中国行きのスロウ・ボート」のリミックスだということで購入、印象としては別物になっていると感じた。春樹さんの作品をきちんと読み返してみよう。2013/01/02
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14
いつだって居場所を探している。ここではない何処かに向かってサヴァイブし続ける。トウキョウと言う名の現実から脱出し、チュウゴクと言う名の約束の地を夢みる。エクソダスを繰り返し、吐き出されたビートをスロウ・ボートに乗せ、辿り着いたその場所が、どうか貴方の居場所となりますように。2020/06/19
眠る山猫屋
9
再読。古川日出男さんの作品の中でも、読み易く、流れる文体が美しい。物語は<東京>という枷から脱出しようとする男の、ローティーンから青年期の終わりまでの、三度にわたるエクソダスを描く。<ここではない何処か>へ向かうために彼が必要としたのは、恋。それも、並外れた、規格外の激しい恋だった。描き様なよっては陳腐な物語に成りかねない、この一連の恋愛劇を美しく優しく語れるのは、古川さんならでは。僕にはこの物語で充分だったから、村上春樹さんの中国行きのスローボートは読まないんだろうな、きっと。2016/02/21




