内容説明
弟が結婚したり、自分は結婚しなかったり、21世紀になったり、3冊目の歌集を出したり。本や絵画や芝居への愛に満ちた最新エッセイ集。
目次
1 弟の結婚(弟の結婚;21世紀の子どもたち ほか)
2 お芝居が好き(真田広之のハムレット;ふるさとの仲間 ほか)
3 大切な本たち(しみじみと読める小説三冊;この雑誌が、おもしろい ほか)
4 絵画あれこれ(20世紀の芸術;14歳のピカソ―「ミサ答えの少年」 ほか)
5 短歌の部屋(短歌の中のダイアローグ;返信―『チョコレート革命』のこと ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Jナカノ
5
日常の何気ない瞬間は特別な時間に、少し難しい文学や短歌の話はとても身近な話に感じられるエッセイ集。ただただ優しいの一言。2014/02/26
Miho☆
2
〈図書館〉短歌だけでなく、家族の話、失恋、お芝居、読書などなどたくさん詰まったエッセイ。19歳の頃、初めて新聞投稿に自身の文章がのった!という銭湯のエピソードが印象に残りました。そして、“みだれ髪”の訳の製作過程が載っていて、大胆かつ素敵な俵さんの訳にビックリ!そちらもぜひ読んでみたいと思いました^_^2016/06/04
奥山 有為
2
押し付けの全くないんだけど箴言をたくさん受けられた感じ2013/07/05
thugu
1
以下、印象に残った箇所。〈私がふとこうして思い出すことがあるように、もしかしたら彼も、白和えを食べるときには、なにかしら心が揺れたりはしないだろうか。〉〈無限とも思える時間が、私たちにはあった。なんてことないおしゃべりの積み重ね。でもその中に、青春があった。そしてまた、友情があった。〉〈否定することは、案外やさしい。話がそこで終わってしまうから。肯定することのほうが、むしろエネルギーがいる。肯定するということは、認めたものに、とことん責任を負うということだから。〉2023/10/19
るう
1
先日放送された「プロフェッショナル」と重ねると、有名になって、仕事がどんどん増え、“言葉から言葉を紡いで”いた頃のエッセイ集かもしれないけれど、何気ない日常を光る言葉で表現する力の高さに感嘆する。「恋愛は時間とともに色あせるけど、友情は時間とともに色濃くなってゆくよねー」と対比の表現もさらっと無意識のうちに友との会話で出せるのが羨ましい。北杜夫さんや柳美里さんの本も読んでみたくなった。2023/03/05