内容説明
九鬼隆一、益田孝、伊藤博文に小林一三、岩野泡鳴。近代日本史に名を残す著名人たちが、私生活で見せる赤裸々な姿とは。世間が愛憎劇の行方を見守る三角関係、高名成す夫の陰でひっそりと息絶える妻、旧弊を廃し新しい結婚を追求したために陥る激しい混沌。70の結婚エピソードを通して浮かび上がる、日本人の結婚観とその妙味。
目次
九鬼隆一と波津―部下と恋に落ちた妻
岡倉天心と元子―猛妻の抗議
森有礼と阿常―ハイカラな夫と旧い妻
森有礼と寛子―再婚生活は整然と、正確に
有馬頼万と寛子―追い出された若奥様
有馬頼寧と貞子―修羅と化した三十年
西園寺公望と夫人たち―正妻は弁財天
安田善次郎と房子―側室に弁えを教えた妻
益田孝と栄子―億万長者の妻
大隈重信と綾子―夫婦同伴で買い物〔ほか〕
著者等紹介
林えり子[ハヤシエリコ]
東京生まれ。慶応義塾大学卒業後、編集業を経て文筆生活に入る。著書に「川柳人 川上三太郎」(第11回大衆文学研究賞)など
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感想・レビュー
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樽
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もう歴史となっている著名人たちの、ゴシップのような読み物。気楽に読めて、おもしろい。2016/01/24
Gen Kato
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文庫240頁前後で明治~昭和初年の夫婦「70態」(同じ人物の再婚・再再婚も含む)を紹介しているが、短い枚数の中で勘所をぴしりと押さえた書きぶり。内容充実の良著でした。それぞれの関係に一抹の「謎」が残るのも、「夫婦」ならではの妙味でしょう。2014/05/08
てくてく
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明治から昭和の著名人の結婚について短くまとめたもの。時代を踏まえてもあまりにも自分勝手で腹立たしくなるものも多いが、特に三浦環、小林一三あたりは驚いた。また、川島芳子が活躍する前に親の意向で蒙古のカンジュルチャップなる人と結婚していたのは初目だった。とはいえ、著名人に限ったわけではないのだろうけれども、割と結婚→離婚→再婚が、男性だけではなく女性も多かった印象を受けた。2014/02/16
mn
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おもしろい!2023/04/13