内容説明
三度笠、縞の合羽に柳の葛篭、百両の大金を懐に―。今戸の貸元、恵比須の芳三郎の名代として成田、佐原へ旅する音次郎。待ち受ける試練と、器量ある大人たちが、世の中に疎い未熟者を磨き上げる。仁義もろくにきれなかった若者が、旅を重ねて一人前の男へと成長してゆく姿をさわやかに描いた股旅ものの新境地。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
昭和23(1948)年、高知県に生まれる。都立世田谷工業高等学校電子科卒業。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空会社関連の商社勤務などを経て、平成9(1997)年、「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。平成14(2002)年、「あかね空」で第126回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きんてつ
19
うちの社長サンおすすめ本。世は江戸。駆け出しの渡世人 音次郎が名代としての旅を通じ、成長していくお話。さわやかな中にピリッとした気迫があり、清々しい気持ちになりました。2016/02/28
コージー
15
いや~、音次郎カッコいいねえ。正に渡世人の鑑だねえ。職業はともかく、筋の通ったところは見習わなきゃいけねえなあ。久しぶりに気持ちのいいサクセスストーリーを読ませてもらった。次も山本さん、読ませてもらうよ。2015/04/27
シュラフ
10
任侠もの、旅もの、と山本一力的要素がつまった作品である。音次郎は代貸の源七に見込まれ、今戸の貸元の芳三郎の名代として成田へと旅立つ。三度笠、縞の合羽を羽織る様は木枯らし紋次郎のようである。その腹のすわり方を源七が見込んだ男であるが、音次郎はまだ若く未熟者である。音次郎の道中、さまざまな事件がおこるのだが、器量ある男たちが音次郎を助けて磨きあげていく。この物語では音次郎が旅を通じて一人前の男になっていく様子がさわやかに描かれる。あと全編を通じてうなぎが随所に出てくる。読後、とってもうなぎが食べたくなる。2014/07/31
ぷう
10
これから、うなぎをたべるときには、ぜったいに、このことおもいだすんやろうな・・・・。これだけの下ネタ、必要だったのか!?まあ、おもしろかったんやけど。2013/06/23
ううち
6
文章がキレイ。情景も登場人物も清々しい。旅を通して成長してゆく物語。よかったです。2013/11/21