かけおちる

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163814308
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

北国の柳原藩執政の阿部重秀は疲弊した藩財政の建て直しのため、ある秘策を実施。果たして結果は? 松本清張賞受賞第1作!

内容説明

なぜ妻は逃げたのか。二七年の歳月を越えていま真相が明らかになる。

著者等紹介

青山文平[アオヤマブンペイ]
1948年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学第一政治経済学部経済学科卒業。経済関係の出版社に18年勤務した後、経済関係のフリーライターとなり、2011年第18回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Lara

87
地方小藩の執政、阿部重秀は地方再生に向け興産事業に励む。妻が駆け落ちし成敗するが、結果的に生き残る。二十数年後、娘も駆け落ちする。最終的に、重秀夫婦は一緒に、新たな人生航路に向かうが、その時既に婿は、自害していたことを知らない。この時代の武士は、常に武士とはどうあるべきかを考え、死の意識をもっていたのか。2023/03/18

キムチ

50
永い勤務生活後に作家と成った氏。人間の魂の深淵を見つめる強い視線を感じる。初期作品群は硬い、よく言えば渋い。当作も血肉の手触りに触れるまで時間を要した。重秀、長英親子の動き、内省を交互に綴る形で展開する。組織と言えどもこの時代は社会科学無し、SNS無し、コミュニケーションは閉鎖の窮まり。身内と言えども信頼は躊躇う。殖産にテーマはよくモチーフに使われるが、それに絡めて訳アリの男女の話がサイドに。いつもながら、女は陽炎の様に映るのみ。食べ物や自然の描写に心がほっと和む2024/11/01

とも

45
★★★★いい小説である。文体、構成、内容何をとっても秀逸である。そのなかに潜むミステリーの謎解きにおいても、流行りのこれみよがしにちゃぶ台をひっくり返すドンデンではなく、あくまで淡々としっとりと語る所までもが好み。2015/08/15

ヒデミン@もも

42
なるほどね〜とエンディング。しかし、ホントに!?と疑いたくもなる。『かけおちる』とは上手いタイトル。青山文平さん初読み。時代物も久しぶり。2016/08/06

そうたそ

36
★★★☆☆ 北国の藩の執政である主人公が、財政の立て直しのために秘策を実施するまでを描く長編小説。今までに読んだ青山さんの作品の中では、この作品が一番良かったかも。近作の「鬼はもとより」は未読だが、時代小説に経済のエッセンスを加えたことで、何かと話題になっている。この「かけおちる」にも、その原型のようなものが感じられる。ただこの作品のメインはそこではなく、タイトルの「かけおちる」(=かけおち)がまさにそのままキーワードになっているような作品である。デビュー第二作がこのクオリティかと思わず驚く出来だった。2015/02/02

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