内容説明
1846年10月16日、吸入麻酔法を用いた外科手術が、世界で初めて公共の場で実施された。この「エーテル・デイ」を機に外科学は飛躍的発展をとげ、多くの人々が手術の恐怖から救われる。では“発明者”を名乗る3人は、なぜその後悲劇的な運命をたどることになったのか?知られざる歴史の一面を鮮やかに描いた傑作人間ドラマ。
目次
笑気ガスをめぐるジョーク
エーテル・デイ
神にも人にも見捨てられて
エーテル・デイ以前の浮かれ騒ぎ
わかる人にはわかる
不本意な共同研究
丸天井の下の静寂
詐欺師
さて次は?
主導権争い
待ちわびる時代
平民の時代
チャールズ・ジャクソンの宇宙
パリのホラス・ウェルズ
クローリー
墓場の孤独
ウィラード・ホテルのロビーにて
エマソンの妻の弟
モートンの南北戦争
毒をもつ陽射し
ドクター・ジャクソンのスクラップブック
エーテル・デイ以後
著者等紹介
フェンスター,ジュリー・M.[フェンスター,ジュリーM.][Fenster,Julie M.]
ニューヨーク在住のコラムニスト。「アメリカン・ヘリテイジ」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿している。『エーテル・デイ―麻酔法発明の日』で書籍のデビュー
安原和見[ヤスハラカズミ]
昭和35(1960)年鹿児島生れ。東京大学文学部西洋史学科卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ちゃま坊
17
NHK「フランケンシュタインの誘惑」で知った。外科学史上最大の革命。麻酔法の発明者は誰かという論争。笑気ガスで抜歯手術が行われたのが1865年。その翌年に14世紀からあったエーテルで外科手術が行われた。日本は江戸時代で高野長英が脱獄したころか。それ以前の無麻酔手術の時代というのは考えただけでも壮絶だ。酒やアヘンや催眠術を使うが、痛みで暴れる患者を押さえつけての執刀だ。笑気ガスは効力が弱く、クロロホルムは毒性が強く、エーテルは引火性がある。その後吸入麻酔はハロセン、イソフル、セボフルと進化した。2019/07/21
ふたば
5
遊び道具だったものが、ちょっとした発想の切り替えで、人間に大きな恩恵をもたらす。今まで多くの人間たちが、使用していながら、誰もその利用法を発展させることがなかった。エーテルを麻酔として使用できることを示唆した者も、それが使用に耐えることを実証した者も、十分賞賛に値すると思う。発想したものと実践した者が同一であれば起きることのなかった悲劇だと思う。フランスでの評価が一番もっともな評価だった。当の本人たちが、それを受け入れられなかったことが残念でならない。2018/02/01
Riko
0
図書館で借りた2012/11/03
ねこつばき
0
エーテルパーティしてみたいです。
丰
0
20020610