内容説明
女装はあくまでも趣味。53歳、妻子もいる大学教授ドナルドはそう信じこんでいた。だが、ある日突然気づく。自分は本当は女になりたいのだ、と。家族との別離、度重なる手術、根強い誤解と偏見―さまざまな困難を乗り越え、ついに“なりたかった自分”を手に入れる。涙とユーモアに溢れた感動的かつ実用的な、類いまれなる回想録。
目次
第1部 ドナルド(少年時代;結婚;インターネット ほか)
第2部ディー(カミングアウト;「ようこそ」;カッコーの巣 ほか)
第3部 ディアドラ(女の友情;男らしさよ、さらば;神さまの不手際を補うために ほか)
著者等紹介
マクロスキー,ディアドラ・N.[McCloskey,Deirdre N.]
1942年生れ。ごく普通の少年“ドナルド”として、ボストン近郊で育つ。ハーバード大学時代はフェンシング部所属。65年に結婚し、1男1女をもうける。経済学者としての著書は多数あり、“ディアドラ”となった現在も、アイオワ大学で教鞭をとっている
野中邦子[ノナカクニコ]
1950(昭和25)年東京生れ。多摩美術大学絵画科卒業。フレッド・ローレンス・ガイルズ『伝記 ウォーホル』、メレディス・イスリントン-スミス『ダリ』(以上文芸春秋)、ジョージ・プリンプトン『トルーマン・カポーティ』(新潮社)、ヨナ・ゼルディス・マクダナー編『バービー・クロニクル』(共訳・早川書房)、メレディス・F・スモール『赤ん坊にも理由がある』(角川書店)など、訳書多数
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感想・レビュー
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丰
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20010510
うたまる
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「ああ、ほんとに”生きている”って感じ!」……53歳で性転換手術を受け女性になった大学教授の回顧録。今の職場で何人か女装男性を見かけるようになったので、少しでも理解の助けになればと思い読んでみた。悪目立ちしている彼(女)らの姿を見て、単純に注目されたいのだろうと思っていたのはどうやら浅はかだったようだ。アメリカでは女装しているだけで暴力や殺人のターゲットになるという。それでもやりたいのだ。やらずにはいられないのだ。日本では女装で人殺しなんておきはしない。でも肝に銘じておこう。言葉や態度でも人は殺せるから。2021/05/24