出版社内容情報
老いた白猿の肉体に呑み込まれた兵士の魂が、戦後日本の変貌を目撃し、詩人の魂が「猿の詩集」を編む──丸山文学の頂点を示す傑作!
内容説明
血にまみれた詩集が戦争とは何かを問う。
著者等紹介
丸山健二[マルヤマケンジ]
昭和18(1943)年、長野県生まれ。昭和41(1966)年に発表した「夏の流れ」で文學界新人賞、芥川賞を受賞。昭和43(1968)年以来、長野県大町市に居を構え、創作活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takehiro
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猿の視点という設定が面白い。それにしても、終わった後にも様々な影響を残す戦争の恐ろしさが伝わってきます。2013/09/01
hatchtiti
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設定された時代には、なかった用語の使用には、かなり腐心されていると思う2010/12/19
かふ
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白猿の視線と鳶の俯瞰。猿は額の血を浸して、鳶の羽をペンにして、言葉を書き連ねる。白猿の「ツァラトゥストラ」のようでもあり・・2010/07/04
あいくん
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☆☆☆☆☆2010/07/03
夢仙人
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戦場で上官に撃ち殺されるしか自分の始末をつけられなかった兵士が撃たれた瞬間に魂が身から離れ、遠く故郷の広島郊外の寒村近くの老いた白猿の身体に封入されることにより戻り、故郷の変容に一喜一憂していくという荒唐無稽の話であるが、丸山健二の筆力と精神性の高さで一気に読ませる。下巻が楽しみである。2010/05/30