内容説明
働くばかりが能でなし、たまには羽も伸ばしたい。お役目の合間を縫って縄張り外の出羽に向かい、「おくのほそ道」の気分にひたろうとした十兵衛だったが、関八州をまたにかける盗賊一味と同じ道を辿ってしまったから、さあ大変。お馴染み桑山十兵衛が行く先々で珍妙な騒動に巻き込まれる、当代無二の捕物帖。シリーズ第七弾。
著者等紹介
佐藤雅美[サトウマサヨシ]
昭和16(1941)年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。会社勤務を経て、43年よりフリーに。60年、処女作「大君の通貨」で、第4回新田次郎文学賞受賞。平成6年、「恵比寿屋喜兵衛手控え」で、第110回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
59
奥の細道の気分を味わおうとしたことからの災難が面白かったです。盗賊一味と同じ道をたどってしまったということが十兵衛にとって運のつきだったのでしょうね。行く先々で騒動に巻き込まれますが、軽妙な筆で書かれているのでスカッとします。2020/12/12
baba
34
八週廻り十兵衛の廻村では知っている地名もあれば知らない所もあり、舞台が江戸だけでなく遥か遠くの距離感と共にその土地の様子も記されていて気持ちがすっきりする。思い掛けない事件やその時々に自分で判断を下していく十兵衛が頼もしい。2017/04/07
cape
13
久しぶりの桑山十兵衛。関八州を歩き回り、力みなくほどほどの事件を裁いていく。時代の知識や雰囲気、軽快なテンポで展開するいつも通りの物語。読みやすい時代物のお気に入りシリーズに、すっかり肩の力が抜けた。このぐらいの脱力感がいい。2018/10/31
ひかつば@呑ん読会堪能中
10
シリーズ第7弾。 自身の家族の話はごくあっさりで、相変わらず厄介な仕事に奔走する十兵衛。まぁ今回は少しだけ芭蕉の足跡を追えたし、ラッキーなお土産も付いてきたのでよしとしますか。それにしてもこの作者、古い文献からヒントを得ているのだろうけど毎回いろんな筋を仕立てるものだなぁ。2013/08/28
katsubek
4
時代物。大事件が起こるわけではなく、するすると話が続くのだが、何故か引きつけるものがある。説明口調が少々鼻につくが、素直に読める。2012/02/21