出版社内容情報
大学の怪事件に挑むヘタレ教員・クワコーと奇人ぞろいの文芸部員。教員の自虐と女子学生の暴言が衝突するとき謎は解かれる。全3編。
人気ユーモア・ミステリー、待望の文庫化!
大学の怪事件に挑むヘタレ教員・クワコーと奇人ぞろいの文芸部員。教員の自虐と女子学生の暴言が衝突するとき謎は解かれる。全3編。
内容説明
地位も才能もないが、やる気もなく志も低い准教授・桑潟幸一、通称クワコーを、毎月毎月、襲う怪事件。何とかしないとヤバイじゃんクワコー、と首をつっこむ文芸部の変人女子たちにいじられながら、首吊り幽霊の謎ほか、春のキャンパスを騒がす3つの事件にクワコーが挑む。芥川賞作家が贈る脱力+自虐のユーモア・ミステリ。
著者等紹介
奥泉光[オクイズミヒカル]
1956年山形県生まれ。国際基督教大学卒業。1986年、「地の鳥天の魚群」を発表して注目を浴びる。93年『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞を、94年「石の来歴」で芥川賞を、2009年『神器 軍艦「橿原」殺人事件』で野間文芸賞を受賞。2012年より芥川賞選考委員を務める。現在、近畿大学国際人文科学研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
138
-呪われた研究室- タイトルからは想像できなきくらいのスタイリッシュな生活を送っている准教授の話です。ところどころの太字のせいかテンポやリズム感の良さは、驚異的です。ちゃんと、オチ(?)がついてて、まあ、ミステリとは言えないかもしれないけど、それなりに面白かったです。 -盗まれた手紙- これまた、思った通りの展開でサラッと読めます。 -森娘の秘密- もう、ここまでくると、なんとなく誰が解決してこんな感じで終わるのだろうって解ってきます。 こんなのも有りかなって思わせるのはある意味すごいです。 2020/11/02
gonta19
132
2013/11/9 Amazonより届く。 2022/9/23〜9/30 2年ぶりの奥泉作品はクワコーシリーズ。 廃校寸前のレータンから脱出し、千葉県にあるたらちね国際大学へと赴任したクワコー。文芸部の顧問になり、個性溢れる部員たちと、学内で起きた不思議な事件に巻き込まれる。「呪われた研究室」、「盗まれた手紙」、「森娘の秘密」の3編。ホームレス女子大生ジンジンが良いキャラ。続編にも期待。(解説は辻村深月さん)2022/09/30
KAZOO
120
シリーズ2作目です。最初はすごい長篇でしたが今回は3つの短編が収められています。短編とは言いながら連作で全体で一つの作品です。大阪から千葉の市原の近くの大学へ転勤してきます。短大を4年制大学にするためですのでまだ学生数も少なく、授業のコマも少なく給与もあまりないようです。女子学生などのやり取りやその生活ぶりなどがコミカルに描かれているようで表紙の絵とはそぐわない主人公の感じでした。2019/02/18
ちょこまーぶる
73
あの「シューマンの指」の作者の方の作品とは思えない萌え感満載の一冊でした。大阪から千葉の大学に転職し、収入が減ってしまってどのように生活をしていこうかと思案するクワコー准教授には妙に共感してしまいましたね。さして、コスプレ学生の集まる文芸部の学生とともに、どうしようもない事件(僕はそう思うんですがね)を解決し、女子学生たちに表面的には邪険に扱われながらも、彼女たちとの信頼関係が成り立っていく姿が微笑ましかったです。それにしても、読んでいるとクワコー先生の容姿は、表紙の姿とはかけ離れているんだが・・・。2015/10/16
buchipanda3
69
シリーズ短編集。ぶひゃひゃ、楽しい。ジャンルで言うと何だろう、やっぱユーモアミステリかな。文章は悪ふざけしてるけど何か整っていて脱力系純文学な感じ。ヘタレで自虐的でいいところがない桑潟幸一准教授、通称クワコ-。そんな彼がたらちね国際大学へ赴任して巻き込まれた怪事件を解決していく。といっても解決するのは彼が顧問する文芸部の女子たち。これが個性派揃いで彼女らの会話のノリが可笑しくて堪らんかった。アンドレ森の正体が明かされたときなんかもう。各話の謎解きも楽しめたし、クワコーと文芸部の面々の話をもっと読みたい。2019/05/14