出版社内容情報
少年の日の夏、青春時代、英国……追憶のなかの懐しい日々に帰る旅。リンボウ先生の叙情的なスケッチとエッセイで綴られた大人の絵本
内容説明
少年の日の夏、ほのかな恋、そしてイギリスで過ごした日々。40篇のリリシズムあふれる文章と著者自身の手になるスケッチが、幻の旅へと心を誘う。林望が贈る大人の絵本。
目次
海風
ひぐらし
うずくまる都会
橋からの眺め
峠道
雪の夜
花よりもかなしきものは…
窓には黄昏
海のテラスで
小石の浜〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
亮さん
16
作者、本人の過去の記憶の断片を短編小説にしたもの。感動と呼ばれるものはほとんどないが素晴らしい文章で情景がありありと伝わる。いいねぇ。小説また書く気力アップ↑↑ ふふふ、ならば答えようではないか。亮さん流の幻の旅を書いて存じ上げよう。ただし、妄想と記憶の混濁が激しいものになるが。あ、書いたらなろうのリンク貼ります。2017/03/20
S.Mori
8
林望さんの本を読むのはこれが初めてでした。旅のエッセイに、温もりを感じる作者自身のスケッチが添えられています。このスケッチが素晴らしくて、これを眺めるだけでも心が洗われる気がしました。旅のエッセイといっても実際に出かけたわけではなく、過去の思い出が綴られています。郷愁のベールを通してみた昔の出来事が、きめ細かで端正な文章で書かれており、良い文章を読む喜びを存分に味わうことができました。2019/06/04
barcarola
5
各話3ページ(プラス、スケッチが1ページ)にまとめられた、リンボウ先生こと林望先生の「幻」の旅。故に、エッセイというよりも小説に、小説というよりも詩に近いと思う。2024/07/26
ミス レイン
4
エッセイ?創作?としばし悩んだけれどエッセイでした。頭の中に雑多な記憶をしまっておく部屋があるとして、そこを整理している最中のようなイメージを持ちました。本の整理みたいに、ついうっかり手に取った中身を開いてしまって読みふけってしまうような。2016/12/07
ひぃ
3
★★★★★学生の時に出会った思い出の一冊。一人ふらりと遠出をする時に、そばに置いていました。リンボウ直筆の挿絵がまた素敵。2011/08/16