出版社内容情報
町なかの川にかかる赤い橋を渡ったところに、その女がいた。驚くべきからだの秘密をもてあましつつ、悲しげに……(解説・吉本隆明)
内容説明
海水と川水が危うげに交じりあう河口の橋のたもとに、その女はいた。驚くべきからだの秘密をもてあましつつ、悲しげに…。性の奥深さ、不埓さを型破りに描き出す表題作他、女たちとの闇の道行きを綴った「ナイト・キャラバン」、日常に深く静かに忍び込む狂気をあぶり出す力作「ミュージック・ワイア」を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまはるか
20
表題作の他2編。解説は表題作だけを取り上げているが、結末がほぼ予想される女と男の話で辟易とした。ナイト・キャラバンはベトナムを舞台に売春婦、情夫らしき男と一緒に人力車シクロに乗って闇夜を走ってホテルを目指す。ミュージック・ワイアは片付けも掃除も苦手なだらしない(母親と年頃のふたりの娘は互いの下着を使い回す)4人家族の許に男が現れて、部屋の整理から外壁の塗装までしてしまう。実務的な掃除の技術が盛り込まれている。「自動起床装置」と同様、登場する物或いは人が「作品世界を飽くことなく拡大」する辺見の世界。2025/01/19
林 一歩
12
性行為は自分本位ではダメだわと、思うきっかけの一つになったかもしれない一冊。まあ、男のエロチックな夢物語ではあるけれど。2013/01/06
しーふぉ
11
もっと官能的な小説なのかと思っていたけど、軽い感じでした。2014/02/24
Maxshingo8
6
背表紙読書(タイトルのみで購入)。読んですぐにとんでもない本を選んでしまった、と思った。2リットルの愛液を出す女の話し、ホテルでヤルために四台の人力車で向かう男女の話し、片付けられない家族の話し。どの話も読んでてクラクラめまいがした。ラストの家族の話が一番まとも(?)そうだが、最後のぞくっとさせる終わり方が一番好み。うちにも来てくれないかな、片付け上手の三上さん。タイトルのみで購入してよかったと思える一冊。2018/08/18
スエ
5
ストーリーは面白いんだけど生理的に受け付けない描写が多く、う〜〜〜〜んという感じ。「もの食う人々」の作者だと思えば、これも納得ではあるのだけれど。雑多我楽多混沌的な。2014/08/12