出版社内容情報
町なかの川にかかる赤い橋を渡ったところに、その女がいた。驚くべきからだの秘密をもてあましつつ、悲しげに……(解説・吉本隆明)
内容説明
海水と川水が危うげに交じりあう河口の橋のたもとに、その女はいた。驚くべきからだの秘密をもてあましつつ、悲しげに…。性の奥深さ、不埓さを型破りに描き出す表題作他、女たちとの闇の道行きを綴った「ナイト・キャラバン」、日常に深く静かに忍び込む狂気をあぶり出す力作「ミュージック・ワイア」を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
11
性行為は自分本位ではダメだわと、思うきっかけの一つになったかもしれない一冊。まあ、男のエロチックな夢物語ではあるけれど。2013/01/06
しーふぉ
10
もっと官能的な小説なのかと思っていたけど、軽い感じでした。2014/02/24
Maxshingo8
4
背表紙読書(タイトルのみで購入)。読んですぐにとんでもない本を選んでしまった、と思った。2リットルの愛液を出す女の話し、ホテルでヤルために四台の人力車で向かう男女の話し、片付けられない家族の話し。どの話も読んでてクラクラめまいがした。ラストの家族の話が一番まとも(?)そうだが、最後のぞくっとさせる終わり方が一番好み。うちにも来てくれないかな、片付け上手の三上さん。タイトルのみで購入してよかったと思える一冊。2018/08/18
yokmin
4
今村昌平著「映画は狂気の旅である」でこの本のことを知った。辺見庸の本は初めてである。 なんと言えばよいのだろう。官能的おとぎ話? 9月21日付辺見氏インタビュー記事(神奈川新聞オンライン)「現在の日本はファシズム。旭日旗への恐怖はアジアに焼き付いている」 「現在は平時か。僕は戦時だと思っています。あなたが平時だと思うなら、反論してください」 は、かなり激しい論調。同一人物とは驚き。2013/09/23
151
3
「赤い橋の下のぬるい水」は男の都合のいい女性像みたいなものと現実のズレが見えている気がした。というか最初の水たまりのシーン、読みすすめていて、あ~、あれ愛液だったんだって気づかないくらい性的な雰囲気を感じ取れなかった。なんか事務的過ぎて……。収録されている3作品の中では「ミュージック・ワイア」が一番良かった。いい方向に向かっているはずなのに物事の終わりが見えてくると不安もやってきてまた元に戻っちゃう感じが。2017/02/03