出版社内容情報
ライター・滋子の許に舞い込んだ奇妙な依頼。その真偽を探るべく16年前の殺人事件を追う滋子の眼前に、驚愕の真実が露になる!
内容説明
未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が“超能力”を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年生まれ、東京・深川育ち。法律事務所勤務を経て、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。以降、「龍は眠る」で日本推理作家協会賞(92年)、「本所深川ふしぎ草紙」で吉川英治文学新人賞(同年)、「火車」で山本周五郎賞(93年)、「蒲生邸事件」で日本SF大賞(97年)、「理由」で直木賞(99年)、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞(2001年)、「名もなき毒」で吉川英治文学賞(07年)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
353
人の心の闇を覗いた者は、闇もまた自分を覗き込んでいるのだと悟る。『模倣犯』で取材者として連続誘拐殺人犯と対峙した前畑滋子は、犯人の抱える闇の深さ恐ろしさに打ちのめされてしまった。心身とも弱った彼女がリハビリのつもりで引き受けた超自然絡みの事件調査で「人生の悲劇の第一幕は親子になったこと」(芥川龍之介)そのものの、予想もしなかった事実が浮かび上がる。ひたすら関係者を回って話を聞くシーンから徐々に緊迫感が高まり、人の業ともいうべき深淵を予感させるドラマを展開させる宮部みゆきの手腕は相変わらず鮮やかだ。(続く)2022/03/26
とも
282
模倣犯のスピンオフ作品と途中から知って、中断して先に模倣犯から読もうか悩みながらも上巻読了しちゃった。模倣犯はまたの機会にして下巻に突入。内容的には流石の宮部みゆきさん。物語に大きなうねりは無いものの静かに引き込ませる手腕は見事。どんな結末に導かれるのか下巻の展開に期待大。2016/12/12
青葉麒麟
243
あの『模倣犯』の続きか。映画版のみしか知らないので、頭の中で中居君がぐるぐる回ってる。この作家らしく丁寧な描写でゆっくり物事が進んでるので、途中でだれそうになったり。断章が非常に気になる。2013/06/07
さくゆめ
215
あの「模倣犯」から9年後、犯人を追い詰めた立役者・滋子が今作の主人公。現在の彼女を追いながら模倣犯の登場人物、更にいうならピースについて何か情報がないか、食らいつくように読んだのは自分だけではないはず。滋子も私も奴の呪縛から逃れられないようで裏腹だけど、気になるものは仕方ない。その犯人はいま拘禁反応で苦しんでいるという。あの網川が…?思いがけず触れた彼の人間らしさに正直戸惑いを隠せない。亡きサイコメトラーの少年、不穏な気配の断章、そして少女の死の真相。滋子の新たな決意と共に後編へ!もちろんお約束の面白さ!2019/09/11
射手座の天使あきちゃん
187
お久しブリ大根の宮部さん超能力物(笑) 主人公の少年が持っていた不思議な力を、宮部さんお得意の丁寧な描写で小さな事実を積み重ねて証明していきます。 もぅ ぐぃっぐい引き込まれました! それにしても人より特別な能力を持つことは哀しいことの方が多いのですね!? 断章がどう絡むのか、さあ下巻です (^_^)v2012/05/05