内容説明
番台にあがった若旦那が女湯への妄想をふくらませ二枚目を気取る『湯屋番』。「ハイ、先様はおかわり」と、のぞき客の交替を促す『からくり屋』。法外な値段で自分の首を侍に売りつける『首屋』…。落語に登場する34の商いを紹介し、自身のエピソードを交えながら、江戸庶民の心情を生き生きと描いたエッセイ。
著者等紹介
矢野誠一[ヤノセイイチ]
昭和10(1935)年、東京生れ。麻布学園、文化学院に学ぶ。演劇・演芸評論家、コラムニストとして活躍
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感想・レビュー
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遊々亭おさる
8
江戸の末期頃から明治の初め頃まで、落語の中で登場する商売の数々を絡めたエッセイ集。桂庵・代書屋・髪結床…、こうして眺めてみると、名を変え形態を変えながら、現代も僕たちの生活になくてはならないものとして存在しているものが多いことよ。ガマの油売りなんてまんまジャパネットたかたの通販番組だしね。読み物としては年配の方が小さんに金馬など古き良き名人芸を懐かしみながらその時代にタイムスリップするための一冊といった風情。若い衆には、僕たちが体験することが叶わなかった時代の空気を追体験するのに最適か。2014/10/04
いちはじめ
0
落語に登場する商売について語るエッセイ集。今はほぼ絶滅した稼業も多く、参考になる。2003/10/14