出版社内容情報
「武士は武士でも野武士でござる」とサトーハチローは青田昇をうたった。あの頃の球界にはサムライがいた。名選手の名物選手交友録
内容説明
“ジャジャ馬”の愛称で親しまれ、外野手として守備に打撃に豪放なプレーを演じてファンを熱狂させた青田昇を、「武士は武士でも野武士でござる」と詩人サトウハチローはうたった。かつてプロ野球にはサムライがいた。だから面白かった。…沢村栄治からＯＮまで、青田昇が寝食をともにしたサムライ達との交友録。
目次
この目で見た伝説の大投手沢村栄治“最後の一年”
日本最初の三冠王中島治康が僕を発見してくれた
“神様”川上哲治との裸のつき合い五十年
ミスター・タイガースは千両役者藤村富美男一代限り
現代なら五億円プレイヤー、鉄腕野口二郎のお値段
日本のナンバーワン監督は三原脩だ！
“和をもって貴しとなす”水原茂の苦心惨憺
よれよれのダンディ千葉茂が巨人の監督になっていたら…
スライダーの創始者藤本英雄の恐るべき粘り強さ
身体がグラブ、名サード宇野光雄は勇気の男〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中玉ケビン砂糖
43
まだ福留さんが「ズームイン！朝」をやっていた頃、野球解説コーナーを青田昇さんがやっていたことを覚えている。彼が亡くなったあとはその後継を「八時半の男」こと宮田さんがやっていたが、彼もとっくの昔に故人となってしまった。時間の流れというものは速い。 本書は沢村栄治から村山実まで、往年の名プロ野球選手たちのエピソードをまとめたおっさんホイホイ本かと思われるかもしれないが、いわば「トンデモ偉人伝」という感覚で、野球にまったく興味がない人でもそれなりに楽しめる。2014/11/12
まこみや
16
再読。眠る前たまたま手に取り３分の１読んだところで就寝、朝目を覚まして結局最後まで読んでしまった。まず文章のうまさに目を見張った。むかし丸谷さんが豊田泰光さんの文章を褒めていたけれど、プロの選手として活躍した人では、表現力では豊田さんに匹敵する、と思います。（尤も編集者の手が加わっているかはわかりませんが。）第二に、人間観察力の的確さです。筆者がコーチとして多くの人材を養成されたのも頷けます。第三に歯に衣着せぬ直言が素晴らしい。毒にも薬にもならぬ公平な評言ではなく、理非曲直を指摘する潔さです。見直した。2020/10/11
たーくん
7
日本プロ野球の創生期からＯＮまでの思い出を綴った書。文章の上からだけでも、かつての選手たちの凄さが伝わった。リアルタイムで見れた人々が羨ましい。緻密だけど雑な現代の野球に較べて、細やかだけど大胆なプレーのような感じがする。2015/09/21
出世八五郎
5
フィールド・オブ・ドリームス。かつて茶の間の人々を熱狂させたスポーツがあった。そんな時代を形作ったプロ野球黎明期の選手達サムライの紹介。
Satoshi
5
戦前、戦後を賑わしたプロ野球選手たちを所為迂回している。多少の誇張もあるのであろうが、当時の熱い空気は充分に伝わった。2013/08/16
