出版社内容情報
越路吹雪、トニー谷、水原弘、佐々木つとむ等々。八方破れの藝人たちのとっておきのエピソードを愛情ゆたかに描く芸能界奇人列伝
内容説明
傲岸不遜を売り物にした芸風が愛児誘拐の悲劇をまねいたトニー谷。無頼を貫いて壮絶に破滅した水原弘。「いっぱい恋をしたし、おいしいものを食べたし、歌もうたったし…」と言い残して逝った越路吹雪。八方破れの芸人たちの芸と人生を、とっておきのエピソードで綴った、『さらば、愛しき芸人たち』第二弾。
目次
醒めた呑兵衛・笑福亭松鶴
電話番号を明かさなかったトニー谷
壮絶に散った水原弘
千人斬りは不首尾の神田連山
「二度と酒はのみません」の三井弘次
三井弘次余滴
「エデンの東」へ行けの桂文治
不良少年だった佐々木つとむ
藤山寛美のコンプレックス
「サヨウナラ」と旅立った三遊亭円之助〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
55
★再読コメント末尾にあり★矢野誠一本をほめるレビューを書いたばかりだが。芸人のミニ評伝集であるこの本は、苦手であった。本書のように「芸人への愛情」をもって描かれても困る(まあ、私の側の問題なのだが)。解説の川本三郎が、本書を、戸板康二の『ちょっといい話』に例えているが、私は『ちょっといい話』も大の苦手。どちらも、山手育ちのお坊ちゃんが、芸能界を表層的に描いた本★★2021/9 追記★★冷静に再読したところ、破滅型芸人をつきはなして描いている描写も多々あり面白い本でした。戸板康二の解説に惑わされていました。2021/08/26
がんぞ
0
ヴォネガットの言うところでは「アーティストというのはカナリアなのだ」、むかし炭鉱の空気が悪いかもしれないところではカナリアが入れられ酸素が無くなれば真先に死ぬ。芸人の突飛な生き方はは社会の自由度の象徴なのかもしれない。ピアフほどでないにしろ日本の芸人も様々な無茶をしてきたが、それに便乗してきたのがヤクザ組織かもしれない。としても「暴力団=悪」という決め付けは社会の安定度を増すことはないだろう、「グローバル化」と同じように。むしろテレビと週刊誌が諸悪の根源か、『家庭の幸福が諸悪の根源』とは太宰治の至言だが。2011/11/25