出版社内容情報
いかにして権力を握り、保持したか?なぜ戦いに破れ、権力を失ったか?最高の知識を注ぎ小説的手法で劇的に描くナポレオン伝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
23
ナポレオン自身ならびに彼の周辺にいた人物らによる、言行録、覚書、回想録にもとづき、ナポレオンの実像を浮かび上がらせようとする史記。ひたすら史実を追う内容なので、娯楽性を求める人には向かない著作だろう。内容は考証が行き届き、中立性を保っていて素晴らしいが、その反面、登場人物に感情移入できる文体ではない。上巻の白眉はやはり、ブリュメール18日のクーデターだが、その後、第一執政になって立法、司法、行政、経済、宗教などの改革に取り組む部分は、政治と社会を考えるうえで非常に優れた視点をもって語られているといえる。2024/05/08
さきん
6
ナポレオンのコルシカにおけるプチ貴族からフランスの皇帝に至る伝記。フランス語、軍隊生活、フランス革命、半革命網、イタリア戦役、エジプト遠征、軍事クーデターなどさまざまな局面をナポレオンは切り抜けていく。2015/07/23
韓信
1
上下巻1300p超に及ぶ大作ナポレオン評伝。コルシカからセントヘレナまで、ナポレオンの足跡を丁寧に拾い、彼をとりまく情勢や群像とともに克明に描く内容に圧倒される。小説に近い叙述なので読みやすいが、情報量が膨大なので読んでいて疲れる(笑)。現在での歴史的評価はともかく、単純にナポレオンの事績を知るにはトゥーマッチながらも面白い本だと思う。重要人物なのにろくな説明もなく登場する者や、各巻の主要登場人物一覧のバランスが悪かったりと情報の取捨選択に疑問が残るが、文庫化にあたり内容を削減しているらしいのでその影響か2024/10/28
BIN
1
ナポレオンの生まれたときからクーデターを起こし独裁権を獲得したところまで。小説というよりかは、伝記。ところどころ誰それの資料とかセント・ヘレナ覚書を引用しまくっているので、資料を時系列順で見れるという点ではいいかもしれない。将として決断力に優れ、昇進が早いのもびっくりだが、休暇21ヶ月とってるのがうらやましく感じた。次は政治家、そして皇帝としてどうなるか勉強します。2012/05/27
エルフ
0
会話文が多くて取っ付きやすいかもしれませんが、流石に上下合わせて1200ページ越えは多いい気がしました。もうちょいコンパクトなほうが嬉しいです...2015/01/24