出版社内容情報
嵐の夜起った殺人事件。犯人は息子の高校生か。美貌の妻の謎の微笑に秘められたものは? サスペンス溢れる著者会心の長篇推理!
内容説明
杉原完三は高名な彫刻家。その完三が、内側からしか開かないドアのついたアトリエで死んでいた。容疑は高校三年生の息子鉄男に。『ギリシャ悲劇集』を愛読する彼は、父を殺し母を犯したオイディプス王の轍を踏んだのか。それにしても、その美貌の母沙衣子の微笑は何を意味するのか。著者会心の長篇推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロケロ
5
★★★★☆2015/02/11
kaikoma
1
昭和のミステリーの中には、歴史や芸術といった一般教養がベースになった作品が少なくないのだと改めて思います。Webを駆使して補完できない時代は、読書の難しさと楽しさが、今とは少し質が違いそうです。今より少しビルが少なそうな東京の風景が魅力的でした。2022/06/19
tara
0
火照るような情念の渦巻くサイコサスペンスの要素と、冷徹でトリッキーな本格ミステリの要素。両者が効果的に絡み合って、ページ数以上の読み応えがあった。読者に対して仕掛けられた騙しの技巧に驚嘆。2017/03/21
kanamori
0
☆☆☆2011/10/02
風祭
0
面白かった!沙衣子の心は死んでしまったんだろうな・・それをあらゆる意味で生かしていた鉄男。親と子の関係ってすごい2014/11/13