文春文庫
無憂華夫人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 226p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167410063
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

維新の変乱からの因縁で敵同士となってしまった侯爵家と伯爵家。侯爵の妹、名花中の名花と謳われる絢子姫と、伯爵の弟、青年外交官の康貞は、ともに惹かれ合うが、旧臣の反対にあい、破談。それでも愛し合う二人は一生結婚をしないと誓うが、運命は皮肉な結末を用意していた…。九条武子がモデルといわれる悲恋小説。

著者等紹介

菊池寛[キクチカン]
明治21(1888)年、香川県高松市に生れる。本名は寛(ひろし)。一高中退後、大正2年、京都帝大英文科に入学。第三次、第四次「新思潮」に参加、文壇にデビューする。『父帰る』『忠直卿行状記』『恩讐の彼方に』『藤十郎の恋』など戯曲、小説の名作を次々と発表。大正12年には「文芸春秋」を創刊した。昭和10年、芥川賞、直木賞を創設し、後進の育成にも努力を惜しまなかった。11年、文芸家協会初代会長となる。23年、狭心症にて急逝。行年60
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感想・レビュー

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あつひめ

71
九條武子さんがモデルだそうだ。これが時代の流れに生きると言うことなのですね。自分の人生を思うがままに切り開くなんてあの時代には許されないことであり、やはりできないことだったのかも。はじめの方の会話があまりにも棒読みの台詞のようで、なんだか心のこもらない二人だなぁ…なんて思ったけど、破談になり、義理の姉が張っちゃ気になって縁談を進め始めたら、魂が宿ったように口からこぼれるどんな言葉にも感情が溢れていた。あっけないラストは否めないけど、パチンとライトの消えた状態が絢子には似合っていたかも。2014/08/22

メタボン

32
☆☆☆☆☆ いわゆる通俗小説と言って良い内容ながらも、絢子の手紙の美しい文章など、ほれぼれとする部分もあり、長く読みつがれるべき名作だと思う。一気に読了した。維新の遺恨により、断絶した松平の藩同士の故に、旧家来達の猛反対により、結婚が破談となった絢子と康貞の悲恋・純愛が切なすぎる。そしてその二人の存在により、普通の結婚生活を送ることが出来なかった芳徳もまた悲劇の犠牲者だった。この種の小説を書かせると菊池寛は上手いなと唸ってしまう。2023/04/08

カピバラ

29
九条武子をモデルにした悲恋の話。絢子と結婚した芳徳が一番犠牲者だ。彼が願ってなったとしても仮面夫婦はつらいなぁ。純愛は大切だけど、地に足が着いた恋愛・結婚をすべきだったと思う。そういう点で、絢子も康貞も子どもよね。2015/08/07

たけはる

8
やはり少し昔の時代のノーブルな話が読みたくて。途中まで「主人公ふたりの純愛はどうなる!?」とワクワクしながら読んでいたら、いきなり尻切れトンボな結末で「えー!」と叫んでしまった。まあ実在の人物をモデルにしているらしいので、しょうがないと言えばしょうがないか……。2023/05/14

kanako

8
かなわない想いが切なすぎる。。今の時代感覚から言えばもどかしいばかり。それでも、心から愛しているといえる人に出会えたのは幸せであったのだと思いたい。2011/03/07

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