出版社内容情報
シーメンス事件をめぐる紛叫で、ついに山本内閣は崩壊。同時に山本は予備役に編入された。山本自身が体元した"大いなる海の時代"がここに終わりを告げたのだ─
内容説明
シーメンス事件は野党=山県有朋にとって、山本内閣=政友会攻撃の絶好の好餌となった。もはや政権維持は不可能とみた権兵衛は、大正3年3月、内閣総辞職を決意する。同年5月、予備役に編入。権兵衛が自ら育て、体現した「海の時代」が終り、日本は有史以来最大の戦争=第一次大戦を迎えることになった。壮大のドキュメンタリー・ノベル。全5巻完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
4
図書館本:速読。読了。この作品も、面白かった。明治大正時代の政界と軍部の熾烈な争いが繰り広げられる。日本は荒波へと飲み込まれていく。山本権兵衛の活躍が目覚ましかっった。当時の歴史を簡単に知るには良い本(参考文献)と思う。2018/12/09
ウチ●
2
長い物語、遂に読了。正直、政局の話になってからは辛かったな。大海原を駆け巡った山本伯が八方塞がりになっていく様子に寂しさを感じました・・・。 江藤淳の苛烈な人となりが偲ばれる解説が良かった。こういう方だとはついぞ存じ上げませんでした。(私の勤め先の社内情報誌に昔、小説の公募があり選考委員に江藤氏の名も!選評を読んで江藤氏の名前が記憶にずっと残っており、今回初めて作品を読んだのでした・・・。) 2012/12/19