出版社内容情報
太平洋戦争の直前に遭難、行方不明となった第六十七潜水艦。その乗組員の母・妻・子供の波瀾の人生ドラマを、艦長の長女である著者が、痛恨の思いをこめてつづる
内容説明
太平洋戦争の始まる前年の夏、当時最新鋭の伊号第六十七潜水艦は、洋上演習中、突如消息を絶った。乗り組んでいた89名は行方不明に―それから時は流れて40年、艦長の娘の著者は、乗組員の遺族をめぐる旅に出る。一隻の潜水艦の亡没の真相と遺族たちの苦難にみちた人生ドラマを掘り起こした感動のノンフィクション。
目次
語り尽きぬ夜を―プロローグ
伊号第六十七潜水艦
〈父〉を求めて―わたし=山崎朋子
「鳴潮」はるかに―わが母=大畑晴子
南の海の底に
焼野のきぎす夜の鶴―山口ツエと叶ギン
焼野のきぎす、もう一羽―西口たみはと五人の子ども
妻の道、いまひとたびの―小西正子
海の嘆き、ふたたびの―浦口カイノ
自立への遙かなる道―井村マキと梶田初子
芦折れぬ―なお、梶田初子
爆心地の菩提樹―松崎宮子とその子=紀子
葉月十五日の海―エピローグ