出版社内容情報
稀代の教養人でありながら放浪と愛欲の果てに失敗した作家・武林無想庵の破天荒な生涯を、かつて起居を共にした著者が描いた傑作
内容説明
芸術家として新機軸を出したい…、そう希いつつ無軌道な愛欲と放浪の果てに、芥川龍之介・谷崎潤一郎を凌ぐ博識を生かせぬままついに失敗した小説家・武林無想庵。その破天荒な生涯を、彼の親友山本露葉の子息としてパリで起居を共にした著者が、哀惜の念をこめて描く。第41回読売文学賞を受賞した傑作評伝。
目次
1 スキャンダル
2 妹みつ
3 第十一指の方へ
4 Cocuのなげき
5 フランスへ
6 ダメの人
7 晩年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
18
登場人物の多くが良い意味でも悪い意味でも、今の時代ではとても生きづらいであろう、生きていかれないであろう人ばかり。憎みきれないろくでなし、人の良いひとでなし。全方位、或いは内へ内へと向かって闇雲にダイナミック。『日本の名随筆・貧/小沢昭一 編』を読んだなかで真っ先に興味を持った武林無想庵。まさに闇雲に書かれたかのような『むさうあん物語』(全44巻!)を読み解きながら、或いは父・露伴の日記を含むその他文献を読み解きながら、筆者・山本夏彦がベタベタ感皆無に明治大正昭和当時の文化や風俗を記しつつ、2019/03/31
super_syokaki
0
辻潤周辺の交友関係に興味があり読んだ。