文春文庫<br> 星々の悲しみ

文春文庫
星々の悲しみ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 236p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167348014
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

喫茶店の壁から、夭折の画家がかいた「星々のかなしみ」を盗み出す若者など、人生のあかしを求めて劇しく生きる青春群像を、深い洞察であざやかに描いた傑作短篇集

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

87
「真夏の犬」もそうだが大阪弁がとても活き活きとしていると思う。そして大阪独特の脂っこさ(大阪の方失礼)が好きだ。またどの小説にもにおいが準主役な気もする。「西瓜トラック」のトラックからにじんでいるオイルや「火」に出てくる男が擦るマッチの燃えるにおい、「北病棟」の病室に漂う湿気のにおい。話ににおいのことは出てこないがそれが伝わってくる。もういちどゆっくりと読んでみたい本。出来れば夜更けに。2016/05/10

巨峰

74
生者を語るには死者をまた語らなければならない。死者を語るには生者を語らなければならない。生と死の間で輝く星々を散文でうたった短編小説集。質の揃った作者初期の短編集。「星々の悲しみ」「西瓜トラック」「北病棟」「火」「小旗」「蝶」「不良馬場」全てに読み応えあった。2016/10/10

tu-bo@散歩カメラ修行中

46
読み友さんの感想から興味を持ち読んでみました。Z図書館の本です。宮本さんといえば、「青が散る」「優駿」は、読んだものの私は、決して良い読者とは言えないと思いました。本作は7つの短編からなる短編集で、タイトルの星々の悲しみは、登場人物の造形がったっていて、エピソードも効果的で面白く読めました。青が散る同様ビビッドな青春小説の一面があり読み易かったです。他の短編では、不良馬場が味わい深かった。この短編集では通底するテーマとして「死」を扱っており、私の知らない宮本さんがいました。「蛍川」「泥の河」読みます。2018/04/05

さぁとなつ

40
全7編の短編集 「北病棟」死んでいく側と生きる側の様相が印象深い 作者の文章は、晴れでも曇天、曇りでもしとしとと雨模様を感じる 繁華街でさえもなぜかモノクロなイメージ ただ「西瓜トラック」に出てくる青年が一万円のことを知らせるべくバイクを走らせるところや、男を受け入れながらもそれを待つでもなく日常を淡々と送るアパートの既婚女性の営みがいやに人間くさい その生や死を多く扱いながらも、時折見える物憂げな人間味に魅了される この作者の本はどれもこころにスンと潜ってくる2024/11/25

UK

38
いかにも昭和な。古い雰囲気の本格短編集。ってなにが本格かよくわからんが。でもさすが大作家、古かろうがなんだろうが余韻の長い良い作品集。真正面から若さやその悩みを描かず、一見淡々とした描写の中から静かに伝わるものがある。そういえば最近の作品って随分ストレートなんだよな、とあらためて思う。2017/12/23

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