出版社内容情報
酒に溺れ、家を捨て、行乞流転の日々を句によんだ種田山頭火。"現代人、究極の憧れ"の放浪と自然への同化などを日記と俳句に検証
内容説明
家を捨て、すべてから放たれて、山頭火は全国各地をさまよい歩く行乞流転の日々を過ごし、その思いを一行の句に託した。「分け入っても分け入っても青い山」「うしろすがたのしぐれてゆくか」…果てしのない旅に追いたてたものはいったい何だったのか。日記と俳句を通して、その生涯をたどり、山頭火の心の真実にせまる。
目次
山頭火の生涯―日記でたどる放浪の記跡
山頭火の俳句―自由律俳句としぐれの系譜
作品鑑賞―人生が詠みこまれた三百五十句
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
53
あれも捨て、これも捨て放浪する。文字まで捨てる。句は短いほど気持ちがストレートに伝わってくる。吐く息とともに生まれ出て句だ。気に入った句を二つ。「雨なれば雨をあゆむ」「だまって今日の草鞋履く」 人生のなんたるかを示しているようだ。2017/12/09
depthofthesky
3
#dokusyo 小雨の降る夜に読了。山頭火の伝記は数多くある。山頭火を過剰に美化するもの、あるいは感情的に批判するものなど様々だ。また当事者による聞き取りを恣意的に、ときには一方的に取り上げ、その人生を再構成するものもある。そういうあまり感心できない伝記群のなかで、石寒太のこの本はよく書けているように思う。ほとんど日記と句作のみに依拠しながら、山頭火の寂しさや自然や社会を見る眼差しに寄り添おうとする。しみじみと読みたい。2010/03/31
KAZOO
2
先日、NHKで竹中直人が演じているのを見て急遽購入しました。前半は生涯について書かれてあり、後半は作品鑑賞という構成になっています。自由俳句で作られた背景がないとあまりわからないのですが、この作品鑑賞の部分ではそこのところもかなり詳細に書かれており参考になりました。2013/01/08
ぽけっとふくろう
2
漫画雑誌で山頭火という人がいることを知った。その時は変わった名前の人だなぁという印象しかなかった。それから気になっていたのでこの本を読んでみた。孤独の人。山頭火。したいことだけをして、したくないことはしない。一見羨ましい生き方だとは思うが、そこには悲しいくらいの自己否定が潜んでいると思った。一方で時折みせる陽気さが山頭火らしさを一層引き立てている。俳句にも興味を惹かれる一冊である。 分け入っても分け入っても青い山2013/01/13
Doronko
1
生き方が知り合いに似てて
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- 和書
- 夏の沈黙